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2020 年度 実績報告書

「シェイクスピア崇拝」と18世紀イングランド娯楽ビジネス

研究課題

研究課題/領域番号 20H01242
研究機関秋田大学

研究代表者

佐々木 和貴  秋田大学, 教育文化学部, 名誉教授 (20145105)

研究分担者 松田 幸子  高崎健康福祉大学, 人間発達学部, 准教授 (10575103)
中野 春夫  学習院大学, 文学部, 教授 (30198163)
大和 高行  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (30253371) [辞退]
篠崎 実  千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (40170881)
桑山 智成  京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (40388062)
岩田 美喜  立教大学, 文学部, 教授 (50361051)
吉原 ゆかり  筑波大学, 人文社会系, 教授 (70249621)
川田 潤  福島大学, 人間発達文化学類, 教授 (70323186)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードシェイクスピア崇拝 / 18世紀イングランド / 娯楽ビジネス
研究実績の概要

本研究計画実施初年度の令和2年度は、研究代表者・分担者それぞれが、担当テーマごとに18世紀イングランドにおけるシェイクスピア崇拝の成立と娯楽ビジネスとの関わりについて、全体の包括的な研究に着手した。初年度は、まず対面での研究会を複数開催し、研究計画をスタートさせる予定だったが、コロナの感染拡大のため、すべて中止とせざるを得なくなった。そこで代案として、オンラインによる研究会を2度実施して意見交換をおこない、研究計画を確認して今後の方向性を共有した。また同時に、どちらの研究会においても、関連分野に関して顕著な業績を有する講師(専修大教授末廣幹氏および明星大名誉教授住本規子氏)を招聘して招待講演を実施し、あわせて、メンバーが研究発表を行なった。
本年度のおもな研究成果は、以下の通りである。
1)雑誌論文 各媒体に、あわせて6件の論文を発表した。そのなかでも、国際共著の英語雑誌論文が4件を数えていることは、特筆に値する成果といえるだろう。また、他の2件もオープンアクセスで公表されている。
2)学会発表 各学会等で4件の発表を行った。なお令和2年度は、コロナのためほとんどの学会が中止または延期になっており、たとえば、シェイクスピア学会でも、研究分担者3名が発表予定であったが、次年度に延期となっている。
研究成果の内容は、シェイクスピア崇拝という事象を、主として①メディアとシェイクスピア ②女性とシェイクスピア ③文化事業とシェイクスピアという視点から分析しており、研究計画を具体化する方向性のものであった。なお、コロナによる影響で渡航が不可能だったため、海外での資料調査・収集は行っていない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定した対面での研究会は感染拡大のため開催できなかったが、代替措置として、オンラインでの研究会を2回実施することで、研究代表者と分担者間で研究計画の確認と方針の共有を十分に行った。またその際、メンバーの発表に加えて、当該分野の著名な研究者の講演も同時に開催することができた。
本研究では、シェイクスピア崇拝が、メディアの発達、テクノロジーの革新、女性の社会進出、文化事業の商品化など、18世紀イングランドの新たな社会現象と密接に関連する文化的・経済的事象であったことに着目しているが、初年度の研究成果としては、上記の多様な現象を踏まえて研究計画を具体化した雑誌論文が6件、口頭発表が4件あった。特に雑誌論文には、国際共著の英語論文が4件が含まれており、本研究の国際性を示す特筆すべき成果といえるだろう。したがって、初年度の研究は、質的にも量的にも、おおむね順調に進展していると判断できる。

今後の研究の推進方策

概括的に言うと、本研究の目的は、18世紀におけるシェイクスピア人気の爆発的な高まりが、18世紀イングランドの新たな社会現象と密接に関連する文化的・経済的事象であったことを指摘し、今日の娯楽ビジネスにまで繋がる新たなシェイクスピア受容史を構築することにある。初年度の令和2年度は、各担当者が資料の収集に着手し、口頭発表、研究論文などで、主として、さまざまな娯楽産業がどのようにシェイクスピアを利用し、またそれによってシェイクスピア崇拝がどのように成立していったかを分析した。2年目以降は文化研究、社会史研究などを介して、さらに「シェイクスピア崇拝」という現象の多面的分析に踏みだす必要がある。資料調査をつづけながら、研究会を開催し、成果を学会、雑誌論文、図書などで発表するという具体的活動方法は変わらず、研究計画調書にも謳ったように最終年度にあたる令和5年度に研究成果をまとめて、翌年研究成果公開促進費によって論集の発刊をめざして研究を進めていく。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 王政復古期におけるシェイクスピア受容 :ウィリアム・ダヴェナントの改作をめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      佐々木和貴
    • 雑誌名

      教育文化学部研究紀要

      巻: 76 ページ: 41-47

    • DOI

      10.20569/00005525

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] シェイクスピア劇と売春産業2021

    • 著者名/発表者名
      中野春夫
    • 雑誌名

      学習院大学文学部研究年報

      巻: 67 ページ: 105-26

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] Tony Lumpkin in and out of Sweet Auburn: The Literary Topography of Oliver Goldsmith’s She Stoops to Conquer2020

    • 著者名/発表者名
      IWATA Miki
    • 雑誌名

      Irish Literature in the British Context and Beyond: New Perspectives from Kyoto(eds. Hiroko Ikeda and Kazuo Yokouchi, Peter Lang)

      巻: - ページ: 31-50

    • 国際共著
  • [雑誌論文] Johnson and Garrick on Hamlet2020

    • 著者名/発表者名
      IWATA Miki
    • 雑誌名

      Johnson in Japan(eds. Kimiyo Ogawa and Mika Suzuki, Bucknell UP)

      巻: - ページ: 88-104

    • 国際共著
  • [雑誌論文] Bardolators and Bardclasts: Shakespeare in Manga/Anime and Cosplay2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshihara Yukari
    • 雑誌名

      Asian Interventions in Global Shakespeare: ‘All the World’s His Stage’(eds. Poonam Trivedi , Paromita Chakravarti and Ted Motohashi , Routledge)

      巻: - ページ: 146-159

    • 国際共著
  • [雑誌論文] Shakespeare and Japanese Cultural Tourism2020

    • 著者名/発表者名
      Yoshihara Yukari
    • 雑誌名

      Shakespeare and Tourism: Place, Memory, Participation(eds.Marta Minier and Maddalena Pennacchia, Edizioni scientifiche italiane)

      巻: - ページ: 95-105

    • 国際共著
  • [学会発表] 2枚の『テンペスト』:N・ロウ版全集における口絵の差し替えをめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      佐々木和貴
    • 学会等名
      科研費プロジェクト第2回研究会
  • [学会発表] ファン参加型イヴェントとしてのシェイクスピア誕生祭と文化外交ー市河晴子の場合(1931年)2021

    • 著者名/発表者名
      吉原ゆかり
    • 学会等名
      科研費プロジェクト第1回研究会
  • [学会発表] The Tempestと17世紀における〈島〉の変容2020

    • 著者名/発表者名
      松田幸子
    • 学会等名
      日本英文学会第92回全国大会 (シンポジウム口頭発表)
  • [学会発表] shakespeareからShakespearへ:その22020

    • 著者名/発表者名
      佐々木和貴
    • 学会等名
      17世紀英文学会 東北支部 例会

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公開日: 2022-12-28  

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