研究課題/領域番号 |
20H01274
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研究機関 | 昭和女子大学 |
研究代表者 |
近藤 彩 昭和女子大学, 文学研究科, 教授 (90377135)
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研究分担者 |
池田 玲子 鳥取大学, 教育支援・国際交流推進機構, 教授 (70313393)
舘岡 洋子 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (10338759)
金 孝卿 麗澤大学, 国際学部, 教授 (30467063)
神村 初美 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (80764654)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 外国人労働者 / ケース学習 / 定着促進 / 協働 / 受け入れ環境 / ビジネスコミュニケーション |
研究実績の概要 |
2022年度は、日本社会において外国人の就労の受け入れが進み、本研究と社会情勢の動きが重なることが多かった。そのため、研究を進めつつも、それまでの分析結果と成果を早期に社会に公開することを第1の目的とした。具体的に、①就労者向け日本語教育を担える国内教師の育成研修モデルの開発について学会で発表をした。②海外の送り出し国(ベトナム)とは、オンラインによる高等機関の長期研修を行ってきたため、実践と課題を論文にまとめた。また、日本語教育の課題と開発したリソースについて論文発表を行った。③シンポジウムでは、ベトナムでの対面研修とオンライン研修の分析結果を発表した。加えて、「ビジネス日本語教育実践の課題」について研究成果に基づく知見を述べた。また、別のシンポジウムでは、外国人の受け入れ・共生のための日本語教育支援を強化するためには、海外の機関と連携をし内容的なつながりをもつことが必須であるという提言をした。④国際大会では、パネルディスカッションでベトナムの教師コミュニティ構築の意義と可能性や、開発した「活動積み上げ型の日本語教育プログラム」について教師研修を行った。⑤経済産業省のダイバーシティ経営推進研修や文化庁の普及事業において講師を務め、「職場でのミスコミュニケーション」に関する研修を実施、ミスコミュニケーションをなくすための方策について、母語話者による言語調整と歩み寄りの態度の観点から述べた。⑥本科研の軸となる「協働」について多様な実践をまとめた図書を2冊刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本科研が開始されて以来、COVID-19の影響を受けていたが、2022年度は影響が少しずつ収まり、それまでの状況に戻りつつある。対面の海外調査が行えなかったことや、収束後は外国人労働者の増加が今後見込まれることから、分析を急ぎ、論文発表、図書の刊行、複数のシンポジウムや国際大会、さらには文化庁や経済産業省をはじめ、企業や教師を対象としたワークショップや講演等において知見を発信し、全体的に精力的に研究活動を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
上述のとおり、2022年度は得られた結果の共有や成果発表をさまざまな形で行ってきた。これは調査・研修・教育をつなげてきたと言える。しかしながら対面による活動が少なかったため、今後はオンラインの利点をいかしつつ、対面調査や学会運営、ワークショップを実施していく予定である。また、本研究の軸である「ケース学習」の実践者養成の課題を整理することを計画中である。
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