国際連携・高大連携による英語・中国語・日本語「作文/対話」学習者コーパスの研究

2022 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20H01278
• 研究機関: 東京外国語大学
• 研究代表者: 望月 圭子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90219973)
• 研究分担者: 石川 慎一郎 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (90320994) ; 赤堀 侃司 公益財団法人学習情報研究センター, 研究開発, フェロー (80143626) ; 野村 恵造 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (60172813) ; 根岸 雅史 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50189362) ; 申 亜敏 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 研究員 (40723276) ; 小柳 昇 東京外国語大学, 国際日本研究センター, 研究員 (40705860) ; 福田 翔 富山大学, 学術研究部教養教育学系, 准教授 (20723274) ; 伊藤 篤 中央大学, 経済学部, 教授 (80500074) ; 永田 亮 甲南大学, 知能情報学部, 准教授 (10403312) ; ニューベリーペイトン ローレンスC. 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (90964239) ; 張 正 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (80869868)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 高校生英語スピーキング縦断的研究 / 英語/中国語/日本語による遠隔対話学習者コーパス / 遠隔コミュニケーションの脳科学的研究 / 「添削・解説文」データベース構築 / 遠隔による共感的コミュニケーションの最適化 / スピーキング言語能力評価 / Cefrによる英語・中国語言語能力評価 / AI時代の教育工学

研究実績の概要

英語学習者コーパス研究においては、４名の学習者に対して、高校１年から大学２年まで、５年間にわたる縦断的「対話/英作文」学習者コーパスを構築した。５年間の英語対話能力の成長について、複雑性・正確性・流暢性の基準から分析した結果、正確性・流暢性の向上よりも、複雑性の向上が顕著であることが実証された。
中国語学習者コーパス研究においては、共同研究機関であるUCLA・台湾師範大学・台湾大学・北京語言大学・香港中文大学の研究者に執筆を依頼し、編集者として、学術書Learner Corpora: Construction and Explorations in Chinese and Related Languagesを国際出版した。本書では、「語順」及び「有界性」という２類型において、学習者の母語の類型が、第二言語習得言語の類型と、どの程度異なっているかにより、第二言語習得における習得困難点が異なるということを学習者コーパスに基づき論じている。さらに、東京外国語大学中国語専攻３・４年生による２年間にわたる縦断的中国語「対話・作文」学習者コーパスを構築した。さらに、各学習者の中国語４技能言語能力評価として、HSK及びTOCFLという二種類の検定試験のスコアを学習者情報として追加した。中国語能力試験結果の分析においては、全員が読解がCefr評価B2レベル（中上級）に達しているのに対し、留学経験のない学習者は、スピーキング・リスニング能力は初級レベルの判定結果となり、スピーキング・リスニング能力重視の教授法が必要である。
日本語学習者コーパス研究においては、湖南大学（中国）及び国立清華大学（対話）の日本語学習者と東京外国語大学の学生が毎月１回３年間にわたる縦断的学習者コーパスを構築し、上級中国語母語話者においても、日本語の「テンス・アスペクト・視点」表現の習得が困難であることが実証された。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

備考

「世界のなかの日本」では、リーズ大学Martin Miller氏、国際基督教大学Mark Willaims氏、郁子Williams氏、サンフランシスコ州立大学南雅彦教授、外交官を歴任された岩谷滋雄氏、Emi Iwatani 氏（Digital Promise）、本科研の望月圭子・ローレンス・ニューベリーペイトンと、多文化共生、英国・米国における日本語教育、歴史観の観点から、ワークショップを行った。

研究成果

• [国際共同研究] University of California, Los Angeles/San Francisco State University(米国)
  • 国名: 米国
  • 外国機関名: University of California, Los Angeles/San Francisco State University
• [国際共同研究] University of Lees(英国)
  • 国名: 英国
  • 外国機関名: University of Lees
• [国際共同研究] 湖南大学(中国)
  • 国名: 中国
  • 外国機関名: 湖南大学
• [国際共同研究] 国立台湾師範大学/国立清華大学(その他の国・地域)
  • 国名: その他の国・地域
  • 外国機関名: 国立台湾師範大学/国立清華大学
• [雑誌論文] 写ストーリーライティングコーパス」（JASWRIC）の連動分析の試み― (2022)
  • 著者名/発表者名: 石川 慎一郎
  • 雑誌名: 第66回計量国語学会大会予稿集 巻: 66 ページ: 42-47
  • 査読あり
• [雑誌論文] オープンサイエンス時代の言語系研究と教育―プレプリントの公開をめぐって― (2022)
  • 著者名/発表者名: 横山詔一・石川慎一郎
  • 雑誌名: 『言語・情報・テクスト』東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻紀要29 巻: 29 ページ: 67-80
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] L2英語学習者による説得型ロールプレイ発話の評価―評価指標間の関係性の解明と発話スタイル別サンプルの検討― (2022)
  • 著者名/発表者名: 石川慎一郎
  • 雑誌名: 統計数理研究所共同研究リポート465 巻: 465 ページ: 78-91
  • 国際共著
• [雑誌論文] A corpus-based analysis of crosslinguistic influence on the acquisition of concessive conditionals in L2 English (2022)
  • 著者名/発表者名: Laurence Newbery-Payton
  • 雑誌名: Asia Pacific Journal of Corpus Research Vol.3 巻: 3 ページ: 35-49
  • 査読あり / 国際共著
• [雑誌論文] A learner corpus-based study of L1 effects on L2 English auxiliary verb use ―The case of will― (2022)
  • 著者名/発表者名: Laurence Newbery-Payton
  • 雑誌名: English Corpus Studies 巻: 3 ページ: 19-39
  • 査読あり
• [学会発表] 「動詞の自他 /アスペクト」習得における学習者の母語の影響： 中国語・日本語学習者 双方向学習者コーパスの分析」 (2023)
  • 著者名/発表者名: 望月圭子
  • 学会等名: 湖南大学外国語学院シンポジウム「これからのコーパス研究：分野領域を越えて考える新しい研究とは」
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Cefr-Jに基づく中国語の読解・リスニング・スピーキング・ライティング能力評価 (2023)
  • 著者名/発表者名: 望月圭子
  • 学会等名: CEFR-J 2023 Symposium
• [学会発表] ビジネス日本語と翻訳・通訳-2つの言語を行き来する面白さ- (2023)
  • 著者名/発表者名: 石川慎一郎
  • 学会等名: 2023春季ビジネス日本語ポイント講座: 東洋大学
  • 招待講演
• [学会発表] The ICNALE Global Rating Archives: A New Dataset for the Analyses of L2 Learners' Spoken (2023)
  • 著者名/発表者名: Ishikawa Shin'ichiro
  • 学会等名: The 32nd Joint Workshop on Linguistics and Language Processing (JWLLP)
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Linguistic Typology and the Acquisition of Chinese: Insights from Learner Corpora (2022)
  • 著者名/発表者名: Keiko Mochizuki
  • 学会等名: The 8th International Workshop on Advanced Leaning Sciences
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Linguistic Typlogy and the Acquisition of Chinese: Insights from Cross-Referential Learners' Corpora of English, Chinese and Japanese (2022)
  • 著者名/発表者名: Keiko Mochizuki
  • 学会等名: The Chinese Linguistic Society of Japan
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 日本語母語話者による中国語結果補語<-到>の習得と 学習者の母語の類型 (2022)
  • 著者名/発表者名: 劉秋文・望月圭子
  • 学会等名: 日本中国語学会
  • 国際学会
• [学会発表] A longitudinal study of fluency and complexity of English spoken interaction (2022)
  • 著者名/発表者名: Keiko Mochizuki and Maksim Tikhonenko
  • 学会等名: The 47th Conference of JAPAN SOCIETY OF ENGLISH LANGUAGE EDUCATION
  • 国際学会
• [学会発表] A longitudinal study of fluency based on learner corpus of English conversations (2022)
  • 著者名/発表者名: Maksim Tikhonenko and Keiko Mochizuki
  • 学会等名: The 48th Annual Meeting of the Japan Association for English Corpus Studies
  • 国際学会
• [学会発表] Aptis: 10 years of innovation in language assessment (2022)
  • 著者名/発表者名: Masashi Negishi
  • 学会等名: New Directions East Asia
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Localisation and test validation: The case of BCT-S (2022)
  • 著者名/発表者名: Masashi Negishi, Yujia Zhou,Johanna Motteram
  • 学会等名: New Directions East Asia
  • 国際学会
• [学会発表] New Directions East Asia (2022)
  • 著者名/発表者名: Masashi Negishi
  • 学会等名: Synergies and tensions: exploiting the benefits of the “common” dimensions of standards for language education
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] Asian Learners’ L2 English Use Findings from the ICNALE (2022)
  • 著者名/発表者名: Ishikawa Shin'ichiro
  • 学会等名: Malaysian Corpus & Applied Linguistics Monthly Webinars
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] L2 Japanese and L1 Japanese: What corpus tell us (2022)
  • 著者名/発表者名: 石川慎一郎
  • 学会等名: 東洋大学国際教育センター講演会
  • 招待講演
• [学会発表] A New Perspective in Learner Corpus Research ― A View from Asia ― (2022)
  • 著者名/発表者名: Ishikawa Shin'ichiro
  • 学会等名: 2022 ALAK International Conference & AILA East-Asia Forum
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 「小中高大生による日本語絵描写ストーリーライティングコーパス（JASWRIC）」に見る13年間の動詞使用の変化 (2022)
  • 著者名/発表者名: 石川慎一郎
  • 学会等名: 国立国語研究所共同研究プロジェクト「多世代会話コーパスに基づく話し言葉の総合的研究」プロジェクト言語発達班
  • 招待講演
• [学会発表] L1日本語の動詞使用の発達を探る― JASWRICを用いた分析― (2022)
  • 著者名/発表者名: 石川慎一郎
  • 学会等名: 神戸大・湖北大 外国語教育学合同セミナー
  • 招待講演
• [学会発表] スキャン翻訳を通した言語景観・言語理解（中国語・その他編） (2022)
  • 著者名/発表者名: 坪田 康 , 森下美和 , 原田康也 , 伊藤 篤 , 湯山トミ子
  • 学会等名: 電子情報通信学会「思考と言語」研究会
• [学会発表] キーワード分類によるアイデアの創出手法のケーススタディ (2022)
  • 著者名/発表者名: 阪原 淳 , 伊藤 篤 , 長谷川まどか
  • 学会等名: 電子情報通信学会「思考と言語」研究会
• [学会発表] Effects of vocabulary and grammar acquisition and dictionary use on writing tasks (2022)
  • 著者名/発表者名: Sho Fukuda
  • 学会等名: 8th International Workshop on Advanced Learning Sciences
  • 国際学会
• [学会発表] 日本語の「ある/いる」構文と中国語の〈有〉構文の対照：叙述類型論の観点から (2022)
  • 著者名/発表者名: 福田 翔
  • 学会等名: 日中対照言語学会第46回及び2022年日中対照言語研究国際シンポジウム
  • 国際学会
• [学会発表] ビデオ会議を使用した英語スピーチ時の注目点の検証 (2022)
  • 著者名/発表者名: 小林輝美, 赤堀侃司
  • 学会等名: 日本教育工学会研究報告集
• [図書] Learner Corpora: Construction and Explorations in Chinese and Related Languages (2023)
  • 著者名/発表者名: Howard Hao-Jan Chen, Keiko Mochizuki, Hongyi Tao
  • 総ページ数: 333
  • 出版者: Springer
• [図書] 教育とICT (2023)
  • 著者名/発表者名: 伊藤 篤
  • 総ページ数: 262
  • 出版者: 中央大学出版部
  • ISBN: 978-3-031-10955-3
• [図書] The ICNALE Guide: An Introduction to a Learner Corpus Study on Asian Learners’ L2 English (2023)
  • 著者名/発表者名: Ishikawa Shin'ichiro
  • 総ページ数: 246
  • 出版者: Routledge
• [図書] ベーシック応用言語学 第2版 (2023)
  • 著者名/発表者名: 石川 慎一郎
  • 総ページ数: 368
  • 出版者: ひつじ書房
  • ISBN: 978-4823411977
• [図書] Vision Quest Logic and Expression Ⅲ (2023)
  • 著者名/発表者名: 野村恵造（編集代表） ほか24名
  • 総ページ数: 96
  • 出版者: 新興出版社啓林館
• [図書] Accentuated Innovations in Cognitive Info-CommunicationUser Interface Design Based on Traditional Japanese Air Finger Drawings, “Soragaki” (2022)
  • 著者名/発表者名: Atushi Ito Editors: Ryszard, Klempous and Jan Nikodem
  • 総ページ数: 262
  • 出版者: Springer
• [図書] STEAM教育と俯瞰力 (2022)
  • 著者名/発表者名: 赤堀 侃司
  • 総ページ数: 228
  • 出版者: ジャムハウス
• [図書] AIと人間の学び (2022)
  • 著者名/発表者名: 赤堀 侃司
  • 総ページ数: 264
  • 出版者: ジャムハウス
• [備考] 世界のなかの日本：イギリス
  • URL: http://www.tufs.ac.jp/documents/event/2022/event_221126_3_rev2.pdf
• [備考] 世界のなかの日本：アメリカ
  • URL: http://www.tufs.ac.jp/documents/event/2022/event_230127_1.pdf
• [学会・シンポジウム開催] 世界のなかの日本: イギリスと日本 (2022)
• [学会・シンポジウム開催] 世界のなかの日本：アメリカと日本 (2022)