研究課題/領域番号 |
20H01285
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
岩崎 克己 広島大学, 外国語教育研究センター, 教授 (70232650)
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研究分担者 |
平手 友彦 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (10314709)
吉満 たか子 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20403511)
荒見 泰史 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (30383186)
青木 利夫 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (40304365)
崔 真碩 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50587243)
J・J Lauer 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (70263639)
山本 孝子 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (10746879)
ガルシア カルロス 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (30817169)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 多言語コーパス / 複言語・多言語教育 / 外国語学習 / 自己発見型学習(EL) / コンピュータ支援外国語学習(CALL) |
研究実績の概要 |
計画初年度の研究を通じ、CEFR(ヨーロッパ共通言語参照枠)における言語能力の6段階基準のうちA1からB1レベルの語彙を含む英語、ドイツ語、日本語、フランス語、韓国語、中国語、スペイン語、ロシア語の8言語からなる例文約13900セット(例文総数約1110200個)の基データを作成すると共に、コロナ禍により、対面での編集作業が難しくなるという新たな状況を踏まえ、8言語の例文をオンライン上で、比較・検討しながら共同編集するためのシステムを開発した。 2021年度は、上記の成果を踏まえ、オンライン上での編集システムに、作成した例文データを登録し、8言語すべてを参照しながら、各言語の例文を相互に検討し、各言語固有の表現上の問題や曖昧性の問題に、言語が果たす機能の観点からアプローチしつつ内容を調整し、最終的な例文データを確定していく例文データペースの改善作業を行った。 また、それと並行し、屈折語、膠着語、孤立語を含む8言語の多様な言語的な特徴に対応できる柔軟な検索システムの開発を進めた。具体的には、ひとつの検索語を使った通常検索に加えて、AND検索、OR検索、マイナス検索、ワイルドカード検索、""で挟んだ複数検索語の完全一致検索、それらの機能を組み合わせた多重検索等を可能にし、現時点での例文データベースを基に検索できるシステムを作り、その試用版を公開した(https://parc.lang.hiroshima-u.ac.jp/)。 さらに、それらの成果を報告すると共に多言語データベースの開発に関して明らかとなった諸問題を議論するため、2022年2月10日に中間報告会 兼 公開研究会を開催した。また、そこでの議論を基に、編集システムとデータベース検索システムの双方の機能のより一層の改善も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多言語データベースの開発に関しては、当初予想した以上に複雑な問題があることがわかり、例文データベースの改善作業は当初計画から一年延びて来年度も引き続き行うことになったが、検索システムの構築と例文データ改善は並行して行うことができるので、計画全体としては、特に遅れはなく計画通り進んでいる。以上のことから、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、以下の3つの作業を行う。 (1)8言語例文データベースの例文の質を引き続きあげていく作業:各言語の例文を相互に検討し、各言語固有の表現上の問題や曖昧性の問題に、言語が果たす機能の観点からアプローチしつつ内容を調整する作業を、昨年度にひき続き、オンラインによる編集システムを通じて行い、例文データベースの質の向上を図る。 (2)検索システムの改善:検索システムをより使いやすくするため、例文作成の基になったキーワードのレベル情報(A1-B1)等を使って、例文に難易度の情報を新たに加え、それを基に検索するデータベースの範囲を学習者のレベルに合わせて変更できる機能を検索システムに付け加える。またAPPEND検索機能を新たに付与する。 (3)教材作成システムを作りその有効性を検証する作業:検索結果を基に、1) 出力された例文の文脈を手がかりにして非表示になった検索語を当てるクイズ、2)検索語(接続詞等)の左右の文脈を分割・シャッフルして作った並べ替え問題、3)検索結果の中の任意の単語(群)を非表示にしたクローズ・テスト、4)同じ意味を表す複数言語の例文を使った並べ替え問題等の教材シート作成システム等を作成する。また、それらを用いて作成した教材を実際に授業や自習の場で使い、それを基に、各教材の有効性を評価する。
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