研究課題/領域番号 |
20H01294
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
深谷 圭助 中部大学, 現代教育学部, 教授 (10425027)
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研究分担者 |
吉川 龍生 慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (30613369)
王 林鋒 大阪教育大学, 連合教職実践研究科, 准教授 (70806322)
関山 健治 中部大学, 人間力創成総合教育センター, 准教授 (40331186)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 辞書引き学習 / 複言語教育 / 複文化教育 / 欧州言語共通参照枠 / 第二言語教育 / 第三言語教育 / 中学校英語教育 / 高等学校中国語教育 |
研究実績の概要 |
研究実績については、2020年4月以降コロナ禍で海外研究協力校への訪問が困難であったため、日本国内の研究協力校において研究実績を積み重ねてきた。なお、海外の研究拠点への訪問が困難だった間、それまでの実績を論文としてまとめた。2022年夏から海外での研究を開始した。 2022年3月と8月に国内第二言語辞書引き研究協力校による研究交流会を実施した。これは、2021年度の研究実践を発表した後、感染症拡大の影響で、実践が滞っていた現状を踏まえ、2022年度に交流会を再設定したものである。2021年度に城田中学校の実践が完了し、石山中、石垣二中、石見中、羽須美中、瑞穂中は研究を継続することとなった。城田中学校における第二言語教育の辞書引き学習導入に関する研究実績については、深谷圭助、吉川龍生、王林鋒、関山健治、廣千香、水本良恵「中学校英語科における辞書引き学習実践に関する研究」(『現代教育学部紀要』第15号、2023年、51-61頁)において発表した。慶應義塾高校における第三言語教育の辞書引き学習導入に関する研究実績については、荻野友範、吉川龍生、深谷圭助 「高等学校の中国語授業における辞書引き学習導入実践 : 紙の辞書とオンラインツール活用の試み」(『慶應義塾外国語教育研究』第18号、2021年、41-66頁)を刊行した。そして、英国の実践については深谷圭助、吉川龍生、王林鋒、関山健治「イギリスの小学校英語教育におけるJB(辞書引き学習)モデル導入事例に関する考察」(『複言語・多言語教育研究』第8巻、2020年、151-160頁)で研究成果を公開した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までに「日本国内における汎用的言語学習方略モデルに関する研究実践と効果検証に関する調査」を中心としてすすめてきた。2020(令和2)年4月、日本全国の学校は新型コロナウィルス感染症の蔓延による休校を迫られ、2020(令和2)年度は研究協力校への訪問ができなかった。そこで、研究協力校の担当者と相談をし、2021(令和3)年度より新型コロナウィルス感染症の感染状況を鑑みながら、研究協力校研究を始めることとした。2021(令和3)年度は受け入れ可能な日本国内の研究協力校から訪問した。 まず、日本国内における第二言語(英語)教育における辞書引き学習の取り組みを、三重県伊勢市立城田中学校の導入授業を皮切りに、島根県邑南町立羽須美中学校、石見中学校、瑞穂中学校、沖縄県石垣市立石垣第二中学校、新潟市立石山中学校において教員研修と導入授業を行った。 また、日本国内における第三言語(中国語)教育における取組を慶應義塾高等学校と福井県立足羽高等学校で行い、導入授業を行った。2021(令和3)年度もパンデミックは十分に収まることはなく、2022(令和4)年度に再繰越をし、国内の実践の不十分さをカバーするために実践を継続するとともに、海外における研究の可能性を窺うことにした。 島根県邑南町立羽須美、石見、瑞穂中学校の取り組み、沖縄県石垣市立石垣第二中学校、福井県立足羽高等学校の取り組みは、三省堂から出版予定の学術図書において刊行発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進方策として、以下の3点を考えている。 まず1点目は、「研究成果の学会発表と論文執筆」である。本研究に関わり、2023(令和5)年度では、日本教育方法学会、中国語教育学会等での学会発表を行う予定である。これまでも、日本教育方法学会、世界授業研究学会(WALS)、高等学校中国語教育学会において発表してきたが、継続的に学会発表を行っていく。また、これまで、深谷圭助、吉川龍生、王林鋒、関山健治「イギリスの小学校英語教育におけるJB(辞書引き学習)モデル導入事例に関する考察」(『複言語・多言語教育研究』第8号、一般社団法人日本外国語教育推進機構、2020年、pp.151-160)、荻野友範、吉川龍生、深谷圭助「高等学校の中国語授業における辞書引き学習導入実践―紙の辞書とオンラインツール活用の試みー」『慶應義塾外国語教育研究』第18号、慶應後塾大学外国語教育研究センター、2021年、pp.41-64。深谷圭助、吉川龍生、関山健治「イギリスの公立小学校における辞書引き学習の導入と教師の学び」(『現代教育学部紀要』第14号、中部大学現代教育学部、2022年、pp.27-35)、深谷圭助、吉川龍生、王林鋒、関山健治「中学校英語科における辞書引き学習実践に関する研究」(『現代教育学部紀要』第15号、中部大学現代教育学部、2023年、pp.51-61)について刊行しており、着々と研究成果を示し続けている。第2点目は、「学術図書の刊行」である。2023(令和5)年度は、研究協力校における日本、イギリス、シンガポールにおける実践校に対し、研究実践記録の執筆を依頼し、編集作業を経て、年度末の刊行を目指している。最後の3点目は、学術シンポジウムの開催である。年度末の学術研究図書の刊行を記念して、国際学術シンポジウムを開催したいと考えている。
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