• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実績報告書

オスマン帝国における社会階層とジェンダーに関する国際共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H01322
研究機関東京大学

研究代表者

秋葉 淳  東京大学, 東洋文化研究所, 教授 (00375601)

研究分担者 川本 智史  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (10748669)
小笠原 弘幸  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (40542626)
松尾 有里子  お茶の水女子大学, 文教育学部, 非常勤講師 (50598589)
澤井 一彰  関西大学, 文学部, 教授 (80635855)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードオスマン帝国 / 社会階層 / ジェンダー史 / トルコ / 国際共同研究 / ウラマー
研究実績の概要

2020年度は新型コロナウィルス蔓延のため、計画を大幅に変更することを余儀なくされた。そのため、出足が遅れたが、9月にメンバーで打合せを行い、研究の方向性を議論した。
特任研究員として守田まどか氏と長谷部圭彦氏を採用し、それぞれイスタンブル都市社会史研究とオスマン帝国教育史研究の立場から本研究課題に貢献してもらうこととした。両氏と研究代表者の3名で、1868年に作成されたイスタンブルの初等学校調査記録の共同研究を開始した。
研究代表者が、ボアチ・エルゲネ氏(米ヴァーモント大学)、ゼイネプ・ドルトク・アバジュ氏(トルコ、ウルダー大学)、メティン・ジョシュゲル氏(米コネティカット大学)とともに、オスマン帝国のシャリーア法廷裁判官の遺産目録をもとに、18世紀から19世紀初頭の裁判官における富の蓄積、時代的変遷、集団内の不平等についての共同研究を開始した。
20年12月に、第1回オスマン帝国史研究セミナーをオンラインで開催し、研究協力者の岩本佳子氏(長崎大学)と伊藤匠平氏(東京大学大学院学生)に報告を依頼した。岩本氏は、ワクフ総局文書館所蔵命令台帳を用いて母后ワクフからの徴税問題についてセミナー形式で報告を行い、伊藤氏は、トルコ共和国成立期のオリエント鉄道争議について発表した。
バーキー・テズジャン氏(米カリフォルニア大学デーヴィス校)、アリ・ヤイジュオール氏(米スタンフォード大学)、コー・チュンヒー氏(米UCLA)と次年度東京で開催する予定の国際会議について意見交換を行った。
新型コロナウィルス流行のため資料調査のための海外出張が2021年度に繰り越しても可能とならなかったため、その代替として、トルコの写本図書館、文書館から資料の複写を取り寄せた。送金手数料が高く、複写部分を絞り込めないため費用がかかったが、ウラマーの階層制度に関する珍しい資料など、重要な文献を入手できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウィルス蔓延のため、対面での研究打合せ、国内研究会、海外での資料調査が実施できず、活発な意見交換、研究に必要な資料の入手といった面での研究の進行に支障が生じた。

今後の研究の推進方策

2022年度より新型コロナウィルス対策による行動制限が徐々に緩和されてきていることから、国内研究会はできるだけ対面とオンラインのハイブリッドで開催し、意見交換、交流を促進する。また、国内学会にセッションを企画して参加する。
国際シンポジウムを2023年の3月に開催すべく、準備を進める。2022年度に海外研究者を招聘できない場合は開催を最終年度の2023年度に延期する。また、対面での国際シンポジウム開催が最終的に実現できるかどうかにかかわらず、オンラインによる国際ワークショップを数回にわたって開催することで、国際共同研究を進める。
イスタンブルの初等学校調査記録の共同研究、シャリーア法廷裁判官の財産に関する国際共同研究を進め、論文として発表する。
海外での資料調査、海外での国際学会への参加など、新型コロナウィルス流行の状況に注意しつつ、積極的に行う。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 図書 (3件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] ヴァーモント大学/コネティカット大学(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      ヴァーモント大学/コネティカット大学
  • [国際共同研究] ブルサ・ウルダー大学(トルコ)

    • 国名
      トルコ
    • 外国機関名
      ブルサ・ウルダー大学
  • [雑誌論文] 16世紀後半のイスタンブルにおける飲酒行為と「禁酒令」2021

    • 著者名/発表者名
      澤井一彰
    • 雑誌名

      東洋史研究

      巻: 第79巻第4号 ページ: 35-71

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] オスマン帝国末期における法曹養成と宗教2021

    • 著者名/発表者名
      長谷部圭彦
    • 雑誌名

      大学史研究

      巻: 29 ページ: 23-32

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 壮麗王時代のもう一つの物語2020

    • 著者名/発表者名
      松尾有里子
    • 雑誌名

      ことばと文化(慶應義塾志木高等学校)

      巻: 24号 ページ: 47-89

  • [学会発表] オスマン帝国ウラマーの3種の任命・位階台帳2022

    • 著者名/発表者名
      秋葉淳
    • 学会等名
      東文研セミナー「第3回オスマン帝国史研究セミナー」
  • [学会発表] 文書から何が分かるか?:ワクフ総局文書館所蔵命令台帳から見る母后ワクフと「徴税権の複相化」2020

    • 著者名/発表者名
      岩本佳子
    • 学会等名
      東文研セミナー「第1回オスマン帝国史研究セミナー」
  • [図書] 地中海世界の中世史(分担執筆:オスマン帝国と地中海世界)2021

    • 著者名/発表者名
      小林功、馬場多聞(編著)(澤井一彰)
    • 総ページ数
      228(137-168)
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623089796
  • [図書] 教育とエンパワーメント(分担執筆:女子教育と女性教師の伝統--オスマン帝国の場合)2020

    • 著者名/発表者名
      長沢栄治(監修)、服部美奈、小林寧子(編)(秋葉淳)
    • 総ページ数
      272(31-34)
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750351391
  • [図書] 中東・オリエント文化事典(分担執筆:西洋式近代教育の移入)2020

    • 著者名/発表者名
      鈴木董、近藤二郎、赤堀雅幸(編)(長谷部圭彦)
    • 総ページ数
      826(642-643)
    • 出版者
      丸善出版
    • ISBN
      978-4-621-30553-9
  • [備考] 東文研セミナー「第1回オスマン帝国史研究セミナー」が開催されました

    • URL

      https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/news/news.php?id=TueJan51045562021

  • [備考] 東文研セミナー「第3回オスマン帝国史研究セミナー」が開催されました

    • URL

      https://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/news/news.php?id=ThuMar311522552022

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi