研究課題/領域番号 |
20H01331
|
研究機関 | 公益財団法人東洋文庫 |
研究代表者 |
梅村 坦 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (90124289)
|
研究分担者 |
新免 康 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (10235781)
小沼 孝博 東北学院大学, 文学部, 教授 (30509378)
熊倉 潤 法政大学, 法学部, 准教授 (60826105)
田中 周 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (10579072)
海野 典子 早稲田大学, 高等研究所, 講師(任期付) (30815759)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 現代ウイグル語文献 / 現代カザフ語文献 / 新疆ウイグル自治区 / 出版文化 |
研究実績の概要 |
今年度もコロナ禍のため、初年度に転換せざるをえなかったように、国内外の現地調査は原則として実施せず、基礎的な資料整備、文献・情報の収集の継続とデータ分析作業に注力した。 公益財団法人東洋文庫所蔵のウイグル語・カザフ語文献を活用して新たなカタログ作成の準備を継続した一方、重要な雑誌・書籍の恒久的資料化を目的にスキャニングを継続した。また東京大学図書館内のアジア研究図書館と連携をはかりながら、ウイグル語などアラビア文字表記の新疆・中央アジア文献の表記標準化や、カタログ汎用化の国際的スタンダードタイプ作成の議論をオンライン非公開で模索した。さらに文献資料研究の範囲を、民族政策論や国際関係論にまで広めつつ、研究課題に関するオンライン会議を開催した。この会議においては、中国の少数民族地域である内モンゴル自治区および新疆ウイグル自治区における統治政策の実態を、実際の統治行政官僚や政治指導者の動向を浮き彫りにし、統治下にある少数民族の文化状況がおかれた社会・政治的な枠組みを理解する大きな手掛かりを共有することができた。 こうしたオンラインによる研究者ネットワークの拡大を通じて、文献資料を利用した出版文化の動態を検討する方法のほかに、1980年代から2010年代初めまで比較的自由に可能であった研究者による現地調査の映像記録や、その当時盛んに現地で広められていた音楽、舞踊などの文化活動の記録類をも蒐集・研究の対象に含めるべく、検討を重ねた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査による最新状況を把握できないのは残念であったが、文献資料の蒐集と分類整理、スキャニングによる文献保存の作業は、質量ともに充実したものとなった。また少数民族の文化動態を明らかにするうえで欠かせない、政治・社会的統治の枠組みを、オンライン会議によって検討し、成果を共有できたことにより、本プロジェクトの目的をあらためて確認し、また設定することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
ひきつづき文献資料の蒐集と整理、そのカタログ化とスキャニングによる保存および将来的な公開利用にむけて作業をすすめる。公益財団法人東洋文庫において、多くの文献資料を一括した形で公開し、国内はもとより国外の文献データとの相互交流が可能となるよう、研究者ネットワークの形成とともに具体化していく。
|