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2020 年度 実績報告書

ユーラシア草原地帯と東アジアの青銅器鋳造技術の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H01357
研究機関独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館

研究代表者

高浜 秀  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 客員研究員 (60000353)

研究分担者 市元 塁  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 主任研究員 (40416558)
荒木 臣紀  独立行政法人国立文化財機構奈良国立博物館, その他部局等, 室長 (20537344)
宮田 将寛  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 専門職 (90737503)
三船 温尚  富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 教授 (20181969)
林 俊雄  公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50132759)
雪嶋 宏一  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (00507957)
小田木 治太郎  天理大学, 文学部, 教授 (90441435)
中村 大介  埼玉大学, 人文社会科学研究科, 准教授 (40403480)
大谷 育恵  金沢大学, 国際文化資源学研究センター, 客員研究員 (80747139)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード青銅器 / 鋳造法 / ユーラシア草原地帯 / 中国北方地域 / 初期遊牧民文化
研究実績の概要

この研究の目的として、ユーラシア草原地帯青銅器の製作法を明らかにし、それをもとにして各地における種々の青銅器の起源や、青銅器文化の成立・影響関係について解明することを挙げていた。そのための一つの大きな手段として、東京国立博物館、京都大学博物館など日本の幾つかの博物館や研究機関に所蔵されている中国北方の青銅器を調査する予定であった。3D計測およびCTスキャンをも利用して行う計画であったが、残念ながら新型コロナの流行のせいで全面的に実行することができていない。しかし一部の青銅器の種類については、研究を行い、ある程度の予測を行うことができた。すなわち有キョウ闘斧について資料集成を行い、その発達の道筋を理解した。初めに西方の草原地帯から中国北部へ伝わってそこで多くの変化形を生み、一方ではシベリアで独自に発達して、それが初期遊牧民文化の闘斧に発展したというものである。これは既に大筋においては一部の研究者によって主張されていることではあるが、幾つかの修正を加えることができる。馬具の銜・ヒョウについても資料を増やし、以前に行った研究よりも詳細に解明することができた。
分担者の市元氏は六鈴付装飾の研究を行い、資料を集成してシベリアと中国北方におけるこの種の装飾品について新しいことを考えている。
今後コロナウイルスの流行が収まり、シベリアと中国において実物の資料をさらに多く調査することができれば、上に上げたことについてもまた新しい知見が得られるであろう。またほかの多くの種類の青銅器についても同様である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

この研究の最も大きな目的は、ユーラシア草原地帯及び中国北方地域における青銅器をその製作法を中心に見直し、互いの影響関係を新たに考察することであった。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な流行で、海外調査を行うことができなかった。特に中国とロシアへ行くことができなかったのは、最も残念である。また国内の調査にしても、旅行が規制されて困難であり、3D計測やCTスキャンによる調査が十分にできなかった。すなわち実物資料の観察によって得られるはずの製作法に関する新たな知見が十分に得られなかった。その結果、今のところ、既発表資料の説明などから推測される製作法によらざるを得なかった。

今後の研究の推進方策

全体の推進方向としては変わりはないが、新型コロナウイルスの流行が収まれば、国内の機関所蔵の資料の調査を大急ぎで進めたい。それには3D計測とCTスキャンを活用して、とりわけ中国北方青銅器の製作法の研究を進めたい。
また海外調査がまだ困難であることに鑑み、既に発表されている文献から、発掘報告、図・写真などを集成し、資料の所在を明らかにして、可能になればすぐに海外において調査ができるように準備しておきたい。その資料集成自体も、この研究の重要な成果と考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Two technical traditions of casting horse bits in China and their relationships with the steppe area2020

    • 著者名/発表者名
      Shu Takahama
    • 雑誌名

      Asian Archaeology

      巻: 3 ページ: 47-57

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 2020年2~3月南ウラル調査旅行2020

    • 著者名/発表者名
      高濱 秀
    • 学会等名
      草原考古研究会 2020年9月例会

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公開日: 2022-12-28  

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