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2020 年度 実績報告書

埴輪の生産・流通体制の総合的検証にもとづく王権中枢部巨大古墳群造営過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20H01363
研究機関独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所

研究代表者

廣瀬 覚  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (30443576)

研究分担者 山本 亮  独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, 研究員 (30770193)
和田 一之輔  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 主任研究員 (40416409)
松永 悦枝  独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, 研究員 (40625927)
東影 悠  奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部企画課, 主任研究員 (60470283)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード埴輪 / 生産 / 流通 / 三次元計測 / 王権
研究実績の概要

初年度となる本年は、SfM-MVS法による三次元計測のための必要機器類を購入し、対象とする埴輪資料を記録、分析していくための環境を整えた。同時に本研究が主対象とする奈良市平城宮東院下層埴輪窯、およびその周辺から出土した埴輪、土器類に対して、悉皆的な実見と資料の抽出作業をおこなった。抽出資料については、台帳を作成しつつ、学生アシスタントを雇用して、三次元モデル作成のためのデジタル画像の撮影、および撮影画像の基礎処理を実施し、データの蓄積を進めた。その上で順次、Agisoft社のMetashape Proを使用して蓄積した画像から三次元モデルを作成した。また、奈良市教育委員会が所蔵するコナベ古墳の資料、奈良県立橿原考古学研究所が所蔵するヒシャゲ古墳の資料についても、実見および整理作業を遂行し、一部の資料については試験的に三次元計測を実施した。
新型コロナウィルスの感染拡大により、分担者、協力者間での連携が困難を極めたが、一時的に状況が安定した秋(11月28・29日)に、所内外の分担者・協力者を招聘して第1回目の検討会を実施した。検討会では各機関が所蔵する埴輪や土器、土製品について、品目や詳しい内容について情報共有を図るとともに、各資料の形態・製作技法、焼成や顔料、胎土等について意見交換をおこない、今後の分析課題の共有を図った。
本研究は、最終的に平城宮東院下層埴輪窯、および佐紀古墳群における埴輪の生産・流通体制を多角的かつ実証的に分析することを目指すが、以上により、次年度以降、本格的に研究を進めるための基盤を拡充することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各機関における膨大な資料の所蔵状況を把握した上で、その中でターゲットとすべき対象資料を絞り込むことができた。また、一部の資料について、三次元計測を遂行することで、分析データの蓄積を進めることができた。
一方で、新型コロナウィルス感染症の拡大により、他機関での資料調査に制約が生じたたため、機関を超えてのデータおよび分析所見のつき合わせについては、次年度以降に本格的に実施しいく方針である。胎土や顔料の科学分析等についても、本年度は資料の状況を把握しつつ、適切な分析方法を検討するにとどまった。次年度以降、順次、分析を実施していく計画である。

今後の研究の推進方策

新型コロナウィルス感染症の収束目処が立たない状況であり、機関を超えた研究者の往来やデータの蓄積、分析成果をつき合わせる作業が遅々として進まない点が最大の問題点である。この点については、感染状況を注視しつつ作業を進めるとともに、オンラインでのデータ共有も視野におきながら、分担者・協力者間で連携しながら研究を遂行したい。
また、奈良文化財研究所所蔵の対象資料がもっとも膨大で、かつ重要な位置を占めるため、整理作業の人件費がやや不足気味である。これについては、研究費の前倒し使用も念頭におきながら、効率よく作業を進めたい

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 昼飯大塚古墳の埴輪生産体制再考2021

    • 著者名/発表者名
      廣瀬 覚
    • 雑誌名

      昼飯の丘に集う-中井正幸さん還暦記念論集-

      巻: - ページ: 153-162

  • [雑誌論文] 土器からみた古墳出現期の鴨田・馬場遺跡の検討2020

    • 著者名/発表者名
      山本 亮
    • 雑誌名

      古墳出現期土器研究

      巻: 7 ページ: 39-46

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 平城宮東院地区における埴輪生産の契機と供給先2020

    • 著者名/発表者名
      大澤正吾・加藤一郎
    • 雑誌名

      奈良文化財研究所紀要

      巻: 2020 ページ: 12-13

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 平城京域における埋没前期古墳とその埴輪2020

    • 著者名/発表者名
      村瀨 陸
    • 雑誌名

      埴輪論叢

      巻: 10 ページ: 17-20

  • [学会発表] ウワナベ古墳の調査成果2021

    • 著者名/発表者名
      村瀨 陸
    • 学会等名
      ウワナベ古墳同時調査関連講演会
    • 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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