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2022 年度 実績報告書

船原古墳からみた古墳副葬有機物製品の立体的復元研究

研究課題

研究課題/領域番号 20H01366
研究機関九州歴史資料館

研究代表者

加藤 和歳  九州歴史資料館, 文化財企画推進室, 研究員(移行) (80543686)

研究分担者 今津 節生  奈良大学, 文学部, 教授 (50250379)
桃崎 祐輔  福岡大学, 人文学部, 教授 (60323218)
重藤 輝行  佐賀大学, 芸術地域デザイン学部, 教授 (50509792)
辻田 淳一郎  九州大学, 人文科学研究院, 准教授 (50372751)
奥山 誠義  奈良県立橿原考古学研究所, 企画学芸部資料課, 総括研究員 (90421916)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード有機物 / 3Dデータ / X線CT / 立体的復元
研究実績の概要

本年度は3年目であり、引き続き研究資源の整備を行った。まず、船原古墳出土遺物に付着する有機物の実体顕微鏡やデジタルマイクロスコープによる拡大観察を行い、写真撮影により記録した。対象は馬具36点、鉄製冑1点、小札甲50塊である。
この成果から、現状で付着する有機物は、繊維、革、木材、漆に分類された。このうち馬具に付着する繊維のなかに、織密度が異なる複数種類の平織が重層していることを確認し、埋納にあたって、複数枚の織物を織り重ねて使用していることがうかがえた。漆については、付着状態の拡大観察から、埋納された遺物に伴うものではなく、漆を使用した別の製品であることを推測できた。
また、金銅製歩揺付飾金具の構造技法解析を行い、これまで撮像したX線CTデータを整理し、新たに蛍光X線分析法による材質分析を悉皆的に行った。その結果、構造については基礎的な構造を明らかにし、材質については、すべての部位で銅に金アマルガム法で鍍金されていることがわかり、共通した材料により製作されていることを確認した。この成果については、日本文化財科学会第39回大会(於:千葉大学)において、研究発表を行った。
そのほか、関連遺物の調査として、熊本博物館、宮崎県立西都原考古博物館、壱岐市立壱岐国博物館、京都国立博物館、奈良国立博物館、奈良県立橿原考古学研究所付属博物館、奈良文化財研究所飛鳥資料館、橿原市博物館を訪問し、関連遺物の実見、発掘調査報告書、関連論文等の文献収集、研究成果の公開方法に関する情報収集および来年度の調査に関する協議を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の核となる有機物の拡大観察から、検討に必要な情報を予定通り記録することができ、最終年度での成果の集約に道筋がついた。また、関連遺物の調査から、新たに研究対象を追加することができ、研究成果の重層化につながることとなった。

今後の研究の推進方策

引き続き、付着有機物の拡大観察を対象遺物全てに進めていくとともに、3Dスキャナによる付着有機物の三次元計測を行い、重層する繊維等を立体的に可視化し、把握することを目指していく。これにより、最終年度に求められる有機物製品の立体的把握、埋納方法の立体的復元につなげていく。三次元計測の手法やデータ解析において、付着状況によっては、難航することが予測されるので、研究分担者とのコミュニケーションを密に取るとともに、画像工学の技術者による指導、助言を得ることで進めていきたい。
また、船原古墳出土遺物の類例調査について、協議が整った、熊本県才園古墳出土馬具、宮崎県伝西都原古墳群出土馬具および福岡県内出土金銅製馬具の構造技法解析を進め、比較検討する。
以上を研究成果報告書にまとめていく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 船原古墳出土金銅製歩揺付飾金具(雲珠)の構造技法解析2022

    • 著者名/発表者名
      加藤和歳 小林啓 甲斐孝司 西幸子
    • 学会等名
      日本文化財科学会第39回大会

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公開日: 2023-12-25  

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