研究課題
本研究課題では、ヒノキ科長期年輪幅標準曲線ネットワークの整備とデータのオープンアクセス化を目標としている。今年度は、既に構築した2000年間の中部産ヒノ キ属標準年輪曲線の構築を基軸に、近畿から東日本各地において、長期標準年輪曲線の地域的拡充と質的向上を図った。具体的には,京都府および奈良県下の複数の社寺で建築材調査を実施し,古代から近世にかけて複数のヒノキ科樹木の標準年輪曲線を構築した。平行して、昨年度までに収集した京都市の遺跡出土木材および長野・池口寺の建築材についても年輪幅の計測と年代測定を実施し、標準年輪曲線構築を進めた。これら新規に構築した曲線の一部は中部産ヒノキで構成された曲線とは明らかに異なる年輪変動を有しており、長期標準年輪曲線群の地域的拡充と年代決定能向上に繋がった。また東日本においても、近世の渋江屋敷跡遺跡などで新たなスギおよびアスナロの標準年輪曲線を構築した。これらの成果については、学会および遺跡発掘報告書で報告した。一方、現生材標準年輪曲線ネットワークの地域的拡充については、標準年輪曲線の空白地である近畿地方日本海側の養父および芦生で昨年度に引き続き大量のスギ年輪試料の採取を行って、年輪幅の計測、解析を進め、標準年輪曲線構築を行った。これにより、近畿から北日本にかけて近世をカバーする現生材標準曲線構築ネットワークが充実し、木材産地推定に向けた基盤的データが整った。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
Radiocarbon
巻: in Press ページ: -
Dendrochronologia
巻: 83 ページ: 126165~126165
10.1016/j.dendro.2024.126165
国立西洋美術館紀要
巻: 28 ページ: 51-63
あきた芸術劇場整備事業に係わる埋蔵文化財発掘調査報告書(第5分冊 自然科学分析編), 秋田県文化財調査報告書第532集
巻: 532 ページ: 6-11
久保田城跡 あきた芸術劇場整備事業に係わる埋蔵文化財発掘調査報告書(第5分冊 自然科学分析編), 秋田県文化財調査報告書第532集
巻: 532 ページ: 12-19
奈良文化財研究所学報
巻: 104 ページ: 486
巻: 103 ページ: 220-221
巻: 103 ページ: 209-219
日本考古学
巻: 56 ページ: 59-77
蒲生御蔵跡: 発掘調査報告書, 仙台市文化財調査報告書 第511集
巻: 511 ページ: 187-192
奈良文化財研究所紀要 (2023)
巻: 2023 ページ: 44-47
巻: 2023 ページ: 6-9