研究課題/領域番号 |
20H01383
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
和田 浩 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部, 課長 (60332136)
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研究分担者 |
川村 洋平 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (40361323)
小西 毅 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 技術支援本部地域技術支援部城東支所, 副主任研究員 (90463033)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 美術品 / 博物館 / 輸送 / 振動 / 加速度 / 蓄積疲労 / 文化財 / 保存科学 |
研究実績の概要 |
美術品(屏風)のレプリカを振動試験し、入力周波数に対する和紙表面の振動の大きさを計測した。当初は和紙が貼られた状態のレプリカを用いた試験を行った。振動を支配しているのが屏風のフレーム(骨下地)部であるという推定に基づき、骨下地のみのレプリカを作成し、同様の振動試験を実施した。また、美術品の輸送時に生じる振動計測データについてもさらに計測値を蓄積することができた。それらの試験結果の検証については、論文等で公表し、関連する研究者同士での議論を深められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
美術品の輸送時に生じる振動計測データの蓄積とその評価に関しては、従来手作業で実施していた項目をほぼ自動化することができ、今後の振動計測から輸送評価に至るまでのプロセスを簡素化することができた。一方で、美術品のモデル化に関しては解決すべき課題が多く、未だ決定的な検証結果が得られてはいない。学会等での成果公表など、総合的に評価した場合、概ね順調に進展んしていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
美術品のモデル化を実行するにあたり、部材のパラメータ値の設定において、どの程度の精密さが求められるのかといった目安を追及せねばならないと考えている。一方で、機械学習としてのアプローチで臨む場合には、インプットに相当する振動とアウトプットに相当する応答が対応してさえいれば良いため、部材のパラメータ値の影響は小さくなる。その兼ね合いを見ながら、まずは精密なモデル化を進め、次に同じインプットに対して、期待されるアウトプットが得られるような判定機モデル(コンパクト化されたモデル)の構築を試みるという方策で今後の研究に臨みたい。
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