研究課題/領域番号 |
20H01387
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
村田 文絵 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 准教授 (60399326)
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研究分担者 |
佐々 浩司 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (50263968)
上米良 秀行 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 水・土砂防災研究部門, 特別研究員 (50470125)
下舞 豊志 島根大学, 学術研究院理工学系, 准教授 (30325039)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 豪雨 / インドモンスーン / レーダー観測 |
研究実績の概要 |
新型コロナ蔓延により必要な研究打合せを渡航して行うことができず2年間予算を繰り越した。福島大学のX帯気象レーダーを譲渡したいという申し出を受けて、研究開始時にはこのレーダーをバングラデシュに輸送しダッカ大学で観測を実施することを目指したが、物流の混乱による輸送手段の不足と価格の高騰を受けて方向転換し、申請時の計画である船舶レーダーによる観測を行うことにした。また、気象観測用に改良された船舶レーダーの購入を試みたが半導体不足の影響で機器が製造できないため、関係者の了解を得て、JAXAから高知大学に移管された船舶レーダーを観測に用いることにした。このように紆余曲折があったが、渡航を重ねて必要な研究打合せを行い、船舶レーダー観測の観測準備を行った。この間、設置を延期していたJAXAとの共同研究で購入した雨滴粒度分布計と電場計をバングラデシュに設置し、チェラプンジ上流域の降水システムの構造について新規の知見を得るための基盤づくりを行った。船舶レーダーを購入しない代わりに水蒸気を高時間分解能で連続観測するためのGPSを2台購入した。また、インド航空宇宙庁ISROと共同研究を実施しているJAXAを介してISROが設置したチェラプンジS帯気象レーダーの観測資料を入手し解析を進めた。チェラプンジに設置した雨滴粒度分布計及び全球降水計画プロジェクトの主衛星に搭載されている降雨レーダーとの比較観測より、チェラプンジレーダーで観測される反射強度が13dBZだけ低いことがわかったが、その分を補正すると、地上雨量とある程度対応関係があり、研究に使用できることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の発生により,研究対象地域への渡航が遅れて必要な研究打合せができなかったこと,及びコロナ感染拡大下やロシアのウクライナ侵攻等の国際情勢で生じた物流網の混乱及び機材輸送コストの高騰により,内定時に計画した研究内容を変更する必要が生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
船舶レーダーの動作確認を高知大学で実施した後バングラデシュに輸送し、ダッカ大学に設置してチェラプンジ上流の降水システムの観測を実施する。また高知大学で実施した観測データを用いて、PIV解析手法の検討を行う。本地域にこれまでなかった高時間分解能の降雨情報を作成するため、インド気象局、バングラデシュ気象局、バングラデシュ水開発庁等関係機関を訪問し、レーダーデータ・地上雨量データ・河川流量データ等の存在の把握及びデータの入手を行う。
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