| 研究課題/領域番号 |
20H01398
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| 研究機関 | 明治大学 |
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研究代表者 |
中澤 高志 明治大学, 経営学部, 専任教授 (70404358)
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| 研究分担者 |
笹川 秀夫 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 教授 (10435175)
森本 泉 明治学院大学, 国際学部, 教授 (20339576)
久木元 美琴 専修大学, 文学部, 教授 (20599914)
鍬塚 賢太郎 龍谷大学, 経営学部, 准教授 (40346466)
小野寺 淳 横浜市立大学, 都市社会文化研究科, 教授 (50292206)
申 知燕 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 助教 (90866716)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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| キーワード | 留学生 / 元留学生 / 適応過程 / 集住なきコミュニティ / エスニシティ / モビリティ / ステューデンティフィケーション |
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| 研究実績の概要 |
本研究は留学生が日本への渡航を発意して日本で学び、その後の就労を通じて日本に定着していく過程について、各段階における意思決定とその背景を内在的に理解することを目指す。本研究は、2つのユニットからなる。１つは、多数の留学生を抱える大分県別府市を共通の研究対象地域として、留学生の地域への適応と地域社会の側の留学生の受け止めの相互作用を明らかにするとともに、別府市を起点とする留学生のライフコースの展開を把握するものである。もう1つは、留学生の主要な送出国を主なフィールドとしてきた研究分担者が、各国社会における日本への留学の意味や留学生の送り出し機構を踏まえたうえで、留学生のライフコースを国籍別に把握し比較分析するものである。
COVID-19の影響に鑑み、本年度は調査に関しては前者に特化し、後者については既存統計の分析と現地情報の収集、文献研究によって来年度以降への備えとした。文献研究により、海外では留学生のモビリティや留学生を含めたトランスナショナルな移動と都市空間の関係性に関する研究が活発化していることが明らかになったため、これらを体系的にレビューする作業を行った。
国内の出張・調査が可能になった段階で別府市において共同調査を実施し、立命館アジア太平洋大学（APU）の留学生招致戦略および留学生の受け入れ対応について聞き取り調査と資料収集を行った。別府市およびその周辺には留学生を受け入れる就職先が限られるため、起業が定着の一手段となっている。そこで、別府市で起業したAPU卒業生にインタビューし、日本で起業した理由や現在の仕事と生活、将来展望などを調査した。併せて、別府市における留学生の生活や、APUをはじめとする日本の大学を卒業した後の留学生のライフコースについて各自が調査を実施した。また、随時研究会を開催して、研究成果を共有した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、メンバーのこれまでの研究経歴に鑑み、留学生の主要な送り出し国である中国・台湾（小野寺）、ネパール（森本）、韓国（申）、タイ（鍬塚）、モンゴル（松宮、研究協力者）について、各国における日本への留学の社会的意味や留学生の送り出し機構を踏まえたうえで、留学生のライフコースを国籍別に把握し比較分析することを目的の1つとしている。しかし、COVID-19の影響によって海外への渡航が事実上不可能であり、上記に関連する調査は未着手となった。
国内での出張や対面でのインタビューも、COVID-19によって実施が制約される期間が長かった。一部はオンラインに代替して実施したとはいえ、全体として調査に遅れが出ることは否めなかった。
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| 今後の研究の推進方策 |
引き続き、2つの領域において研究を推進する計画である。第1に、大分県別府市において、留学生の地域への適応と地域社会の側の留学生の受け止めの相互作用を明らかにするとともに、別府市を起点とする留学生のライフコースの展開を把握する。第2に、留学生の主要な送出国ごとに日本への留学の社会的意味や留学生の送り出し機構を踏まえて、留学生のライフコースを国籍別に把握し比較分析する。
今後もCOVID-19の動向によっては海外への渡航が困難であることが予想されるため、第1の領域については可能になり次第、迅速に調査を実施できるよう、現地情報の収集などに努める。日本国内における調査に関しても同様の制約が想定されるため、既存統計を駆使して日本および別府市における留学生の状況の分析を進めるとともに、留学生のモビリティやトランスナショナルな移動と都市空間の関係性に関する関連する文献のレビュー論文を執筆する。いくつかの国籍については、留学生・元留学生のネットワークを通じて調査対象者を確保するめどが立っているため、オンラインでのインタビューを併用して調査を進める。別府市には、外国人研究者も数多く生活しており、彼らの社会適応や子育てが課題となっている。そこで、別府市においては、第1の領域のおける調査に加え、留学生に限定しない外国人のサポート体制についても調査を進める。
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