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2020 年度 実績報告書

歴史研究の観点から見た現代アフリカの紛争

研究課題

研究課題/領域番号 20H01407
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

佐川 徹  慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (70613579)

研究分担者 橋本 栄莉  立教大学, 文学部, 准教授 (00774770)
竹沢 尚一郎  国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (10183063)
早川 真悠  国立民族学博物館, 人類基礎理論研究部, 外来研究員 (20720361)
松本 尚之  横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 教授 (80361054)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードアフリカ / 紛争 / 歴史 / 民族間関係
研究実績の概要

新型コロナウイルスの感染拡大によって、当初予定していた現地調査の実施は大幅に遅れた。現地調査が困難な時期には、アフリカの紛争に関連した文献資料を収集・読解して、紛争の歴史的文脈をより精緻に明らかにすることを試みた。また、科研の代表者と分担者の4名が研究の進捗状況を報告するオンライン研究会を2回開催して、今後の課題を確認しあった。
具体的な調査・研究内容は以下のとおりである。佐川は、アフリカにおける紛争の歴史一般に関する文献調査から、アフリカの紛争の特徴の抽出を試みた。とくに、植民地化以前と植民地化以後のアフリカにおける紛争の連続性と断絶性のありようについて、検討をおこなった。また、東アフリカ牧畜社会における集団間紛争に政府の介入がもたらした影響についての考察と、西アフリカのガーナにおける紛争の一般的状況についての考察もおこなった。橋本は南スーダンからウガンダへと難民化したヌエル人が、いかなる歴史意識を有しているのかを分析した。松本はナイジェリアにおける紛争の歴史をめぐる文献読解をおこなうとともに、ビアフラ戦争の記憶が今日のイボ人のナショナルな意識の高揚といかなる関係をもつかについての分析を進めた。竹沢はフランス語圏西アフリカにおける近年の混乱の歴史的背景を検討し、とくにフランス植民地下でのトゥアレグ人の歴史的位置づけを分析した。早川は、ジンバブエにおける政治的・経済的な「危機」の歴史的背景について考察をおこなうとともに、この「危機」に対してアフリカ知識人がいかなる評価をおこなっているのかを分析した。以上の調査・研究内容を21年度以降には深化させていくことを、メンバー間で確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウイルスの感染拡大によって、アフリカ諸国でのフィールドワークの実施はきわめて困難となった。ただし、この時期にはオンライン研究会を開催することで、研究内容だけでなく研究の進め方について相談することができた。そして、繰越申請を2回行ったことで、現地調査も含めて、進捗状況はおおむね順調に進展することとなった。

今後の研究の推進方策

今後は、新型コロナウイルスの感染拡大が、各地域の集団間の対立関係などに与えた影響について、文献資料を収集し、また可能な限り現地調査にて明らかにしていく必要がある。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 奇声が紡ぐ歴史、あるいは「狂人」が照らす真実2020

    • 著者名/発表者名
      橋本栄莉
    • 雑誌名

      史苑

      巻: 81-1 ページ: 1-8

    • DOI

      10.14992/00020420

    • オープンアクセス
  • [学会発表] ジンバブエ「危機」にかんする歴史的考察2021

    • 著者名/発表者名
      早川真悠
    • 学会等名
      科研基盤研究B「歴史研究の観点から見た現代アフリカの紛争」2020年度第2回研究会
  • [学会発表] 血償をめぐる政府と牧畜民の葛藤:ダサネッチにおける復讐/感染/代替の論理2020

    • 著者名/発表者名
      佐川徹
    • 学会等名
      科研基盤研究B「歴史研究の観点から見た現代アフリカの紛争」2020年度第1回研究会
  • [学会発表] 東アフリカ牧畜社会におけるコロナ対策の社会経済的影響2020

    • 著者名/発表者名
      佐川徹
    • 学会等名
      『アフターコロナ時代のアフリカ:今、日本にできること』(主催:グローバル・フォーラム)
  • [学会発表] 「本物の男」と「複写男」のあいだで :南スーダンの紛争、瘢痕とハイブリッドな「男らしさ」2020

    • 著者名/発表者名
      橋本栄莉
    • 学会等名
      立教大学史学会
  • [学会発表] ハイパー・インフレ下のジンバブエにおける貨幣と時間2020

    • 著者名/発表者名
      早川真悠
    • 学会等名
      サントリー文化財団「信用の人類史」研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 移動と紛争:ビアフラ戦争の事例を通して2020

    • 著者名/発表者名
      松本尚之
    • 学会等名
      科研基盤研究B「歴史研究の観点から見た現代アフリカの紛争」2020年度第1回研究会
  • [学会発表] トゥアレグ問題を歴史化する2020

    • 著者名/発表者名
      竹沢尚一郎
    • 学会等名
      科研基盤研究B「歴史研究の観点から見た現代アフリカの紛争」2020年度第2回研究会
  • [図書] Development and Subsistence in Globalising Africa: Beyond the Dichotomy2021

    • 著者名/発表者名
      Hayakawa Mayu, Takahashi Motoki, Oyama Shuichi and Herinjatovo Ramiarison and others
    • 総ページ数
      430
    • 出版者
      Langaa RPCIG
    • ISBN
      9956551570
  • [図書] ローカルと世界を結ぶ2020

    • 著者名/発表者名
      五十嵐誠一、酒井啓子、佐川徹ら
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000270601

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公開日: 2023-12-25  

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