研究課題/領域番号 |
20H01411
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
津村 文彦 名城大学, 外国語学部, 教授 (40363882)
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研究分担者 |
山本 芳美 都留文科大学, 文学部, 教授 (50363883)
桑原 牧子 金城学院大学, 文学部, 教授 (20454332)
山越 英嗣 都留文科大学, 文学部, 准教授 (00843822)
大貫 菜穂 京都芸術大学, 芸術学部, 非常勤講師 (20817944)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | タトゥー / イレズミ / 身体変工 / アジア・太平洋地域 / 感覚 / 情動 / 身体 |
研究成果の概要 |
本研究は、アジア・オセアニア地域におけるイレズミについて、人とモノと制度の観点から分析し、感覚と情動と力の検討を通じて、イレズミが人々におよぼす力と、個人と社会を結節するあり方を明らかにしようとした。日本(本州・沖縄)、台湾、タイ、カンボジア、仏領ポリネシア、ニュージーランドなどでの現地調査で得られた民族誌的データに基づいて分析を行った。マシンやインクの導入やSNSでのデザインの参照などグローバルに共通する動きがありながら、身体とモノの融合であるイレズミが、個々の社会的制度の枠内で、文化的背景をもとに地域ごとに異なる情動を喚起させ、タトゥーの社会的布置が構成されている様子が明らかになった。
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自由記述の分野 |
文化人類学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義としては、本研究は、欧米中心に論じられてきたタトゥーに関する文化論を、非西洋社会を対象にして再構築した点が挙げられる。西洋社会では「逸脱」論、非西洋社会では「伝統復興」論に偏っていたが、それぞれの民族誌データから論じることで、地域に根ざしたタトゥー文化論が可能となった。またイレズミの比較文化論を出版することにより、日本人のイレズミ理解に新たな知識を加えた。2013年の温泉地でのイレズミのある外国人の入浴拒否、2015年以降の医師免許のない彫り師の検挙など、イレズミは社会問題化しているが、グローバルな同時代的状況についての研究成果を発信することで、文化多様性の寛容に寄与した。
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