研究課題/領域番号 |
20H01419
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
只野 雅人 一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (90258278)
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研究分担者 |
新井 誠 広島大学, 人間社会科学研究科(法), 教授 (20336415)
林 知更 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (30292816)
徳永 貴志 和光大学, 経済経営学部, 教授 (50546992)
岡田 信弘 北海学園大学, 法務研究科, 教授 (60125292)
木下 和朗 岡山大学, 法務研究科, 教授 (80284727)
赤坂 幸一 九州大学, 法学研究院, 教授 (90362011)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 代表 / 対抗権力 / 選挙 / 議会 |
研究実績の概要 |
今日の西欧の代表民主政では、選挙や国民投票などの制度的回路、デモのような非制度的形態の双方で、既存の議会制の制度的枠組では十分制御しきれない様々な社会的な要求・異議申し立ての表出が見られる。本研究はこうした状況に憲法学の観点から向き合い、統治と並ぶ議会制の構成要素である代表・統制という契機に着目し、両者を包摂する対抗権力という概念を設定することで、議会制の中に散在する「対抗」の諸要素を析出する。次いで、そうした分析で得られた諸要素を比較と歴史という視座から突き合わせ、対抗権力という観点から議会制を再画定する理論を構築するとともに、制度化へのインプリケーションを得ることをめざす。 上記の2つの柱に沿って、初年度である2020年度は、資料の収集と分析、研究会等を通じた意見交換を中心に研究を進めた。当初は、研究代表者・分担者がすでに有する国際的研究ネットワークを活用し、海外での調査、海外の研究者との共同による日本あるいはフランスでの研究会(ミニシンポジウム)を予定していたが、新型コロナウィルス感染症の影響で、実施が困難となった。そこで、研究代表者・研究分担者それぞれが、資料の収集と分析に重点を置いて研究を進めるとともに、フランス滞在中であった研究分担者のコーディネイトにより、フランス人研究者、フランス・ルクセンブルクに滞在中の日本人研究者に報告を依頼し、遠隔方式の研究会を開催して、研究テーマに関するヨーロッパの現状分析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルス感染症の影響で、当初予定した海外調査や、海外の研究者と共同の研究会は実施できなかった。しかし、遠隔方式の研究会を実施するとともに、研究代表者・研究分担者が当初の予定よりも時間を割いて文献の調査・分析を進めたことで、概ね順調に研究を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度については、研究費の一部を繰り越して、2020年度に実施できなかった海外調査、あるいは研究会の開催を予定するが、新型コロナウィルス感染症の影響で実施が困難な事態も予想される。そこで、最終年度である2022年度中の刊行を念頭に、研究成果として書籍を出版するための準備も進める。海外調査や研究会の実施が困難な場合には、研究代表者・研究分担者それぞれが担当テーマの分析を早めに進め、相互に調整のうえ、前倒しで、具体的な出版計画を策定する。
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