研究課題
今日の西欧の代表民主政では、選挙や国民投票などの制度的回路、デモのような非制度的形態の双方で、既存の議会制の制度的枠組では十分制御しきれない様々な社会的な要求・異議申立ての表出が見られる。本研究は、こうした状況に憲法学の観点から向き合い、統治と並ぶ議会制の構成要素である代表・統制という契機に着目し、両者を包摂する対抗権力という概念を設定することで、議会制の中に散在する「対抗」の諸要素を析出するとともに、そうした分析で得られた諸要素をもとに、対抗権力という観点から議会制を再画定する理論を構築し、さらには制度化へのインプリケーションを得ることをめざした。そのために、文献調査だけでなく、海外在住の研究者を報告者とした研究会、海外(フランス)の研究者を招聘した研究会・シンポジウム、同じく海外の研究者を招聘し国内の議会制研究者や実務家も参加した研究会などを開催し、議論を深めた。そうした研究の成果として、上記の課題に応えるべく、『統治機構と対抗権力-代表・統制と憲法秩序をめぐる比較憲法的考察』(日本評論社、2023年3月)を刊行している。同書には、本研究プロジェクトのメンバー以外にも、日本における議会制・憲法研究者や国会関係の実務家、海外の研究者(フランス、5名)が参加して論攷を執筆しており、議会制にとどまらず、行政機構、司法制度なども含む憲法秩序全体における対抗の諸相を、比較憲法的視点から分析している。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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