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2022 年度 実績報告書

東アジアにおける憲法裁判制度と司法の変容ー韓国・台湾を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 20H01423
研究機関法政大学

研究代表者

國分 典子  法政大学, 法学部, 教授 (40259312)

研究分担者 蔡 秀卿  立命館大学, 政策科学部, 教授 (00262832)
松井 直之  愛知大学, 法務研究科, 教授 (60468858)
水島 玲央  名古屋経済大学, 法学部, 准教授 (60738904)
島田 弦  名古屋大学, 国際開発研究科, 教授 (80410851)
D. Gangabaatar  名古屋大学, アジアサテライトキャンパス学院(法), 特任教授 (80747147)
岡 克彦  名古屋大学, 法政国際教育協力研究センター, 教授 (90281774)
赤坂 正浩  法政大学, 法務研究科, 教授 (80167816)
牧野 力也  松山大学, 法学部, 准教授 (10964182)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード憲法裁判 / 台湾 / 韓国 / 司法 / 政治の司法化
研究実績の概要

2022年度は、本共同研究の各参加者がそれぞれの地域の資料収集分析を進めたほか、2023年1月に研究分担者でモンゴル憲法裁判所裁判官のガンガバータルが「モンゴル憲法裁判所と裁判官」と題して、名古屋大学法政国際協力研究センターとの共催の形式で公開講演会をZOOMで行った。
また2022年度末に、韓国憲法裁判所の所属機関下にドイツ人研究者が職員として配置されているらしいことがわかり、ドイツからの直接的影響の程度について調査研究を行うことを繰越後の2023年度の重要な課題とした。韓国憲法裁判所に関しては、國分が韓国憲法裁判所が参加するアジア憲法裁判所連合職員に対するインタビュー調査を行い、韓国憲法裁判所が裁判する際に比較法的視点をどの程度考慮しているかについての知見を得た。また2023年6月には、日本の韓国・朝鮮法研究者たちで組織している「韓・朝鮮半島と法」研究会と共催の形で、韓国大法院の元研究官による講演会を行い、韓国の法院の中で司法の変容とそれに対する対応がどのように受け止められているのかを検討した。
9月には研究分担者全員でオンラインで集まり、各研究対象地域について調査分析がどの程度進んでいるのかについて相互に確認した。また研究成果の公表方法についても議論し、比較法学会においてミニ・シンポを企画申請すること、本共同研究の最終成果は著書として出版することを確認した。このうち、ミニ・シンポについては比較法学会で企画が承認され、韓国・台湾の違憲審査制度の史的考察と現代的問題を中心に報告内容を固めた。著書については、台湾の研究者および上述のアジア憲法裁判所連合職員の執筆参加が決定し、台湾の研究者からはすでに原稿をもらって大体の翻訳を終えた。その他、各参加者がこれまでの調査を踏まえて、分析を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19による遅れは、海外調査ができるようになったことでかなり取り戻せている。ただし、調査が遅れた結果としてその分析についていまだ少し時間を要する状況である。
また、これまでのプロジェクト推進過程で、より充実した研究成果を目指して、海外の研究協力者2名を追加したが、そのために本共同研究参加者全員による成果発表に際しての役割分担の最終調整が必要である。これを2023年中に行う予定であったが、研究協力者1名の予定が立たなかったことが若干の遅れの理由である。

今後の研究の推進方策

2024年度中に本共同研究の全体的なまとめを行う予定である。6月に予定している比較法学会でのミニ・シンポにおいて、研究分担者のうち、4名が韓国・台湾についてのこれまでの研究成果の報告を行う。このときの質疑を踏まえて、韓国・台湾についての最終的な成果のまとめに繋げる予定である。成果については、2025年度の早い時点で著書として出版の予定を立てているため、2024年度は各自がこれまでの調査分析結果を論文にまとめる作業を中心とし、その概要ができた時点で全体の調整を行うための研究会を行う。これをもとに2024年度中に執筆を終わらせ、2025年度の出版を目指す予定である。

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (9件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)

  • [雑誌論文] 台湾における住民自治組織の現状―「里・村」・「社区」に着目して2024

    • 著者名/発表者名
      蔡秀卿
    • 雑誌名

      季刊行政管理研究

      巻: 185 ページ: 51-60

  • [雑誌論文] 具体と抽象の往還――法科大学院における法的思考の涵養と国語教育の連関2024

    • 著者名/発表者名
      松井直之
    • 雑誌名

      言語と文化(愛知大学)

      巻: 49 ページ: 117-131

  • [雑誌論文] 東アジアにおける憲法裁判制度と司法の変容-韓国を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      國分典子
    • 雑誌名

      輔仁法学

      巻: 65 ページ: 477-513

  • [雑誌論文] 「多様性」が憲法にもたらす意味2023

    • 著者名/発表者名
      國分典子
    • 雑誌名

      亜細亜女性法学

      巻: 26 ページ: 145-167

  • [雑誌論文] 台湾における行政立法の意義と法的統制2023

    • 著者名/発表者名
      蔡秀卿
    • 雑誌名

      比較憲法学研究

      巻: 35 ページ: 67-96

  • [雑誌論文] マイノリティ問題に現れた韓国の『積極司法』と憲法適合的解釈のあり方(1)-『良心的兵役拒否』・『トランスジェンダーによる性別変更』の事例を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      岡克彦
    • 雑誌名

      名古屋大学法政論集

      巻: 298 ページ: 31-57

  • [雑誌論文] マイノリティ問題に現れた韓国の『積極司法』と憲法適合的解釈のあり方(2・完)-『良心的兵役拒否』・『トランスジェンダーによる性別変更』の事例を中心に2023

    • 著者名/発表者名
      岡克彦
    • 雑誌名

      名古屋大学法政論集

      巻: 299 ページ: 45-68

    • DOI

      10.57461/nujlp.299.3

  • [雑誌論文] 「トランスジェンダーの性別変更の権利」と「未成年の子の福祉」― 性別訂正手続における従来の「未成年の子なし要件」を訂正した2022年の韓国大法院決定を素材として―2023

    • 著者名/発表者名
      牧野力也
    • 雑誌名

      松山大学創立百周年記念論文集

      巻: 無 ページ: 201-227

  • [雑誌論文] 韓国憲法裁判所における権限争議審判制度の変容― おもに当事者適格の拡大の側面から―2023

    • 著者名/発表者名
      牧野力也
    • 雑誌名

      松山大学論集

      巻: 35 ページ: 521-540

  • [学会発表] 旧優生保護法国賠訴訟仙台高裁判決(仙台第二次訴訟)の評釈2024

    • 著者名/発表者名
      牧野力也
    • 学会等名
      愛媛憲法判例研究会
  • [学会発表] 「多様性」が憲法にもたらす意味―平等・マイノリティの権利の関係から2023

    • 著者名/発表者名
      國分典子
    • 学会等名
      亜細亜女性法学会
    • 国際学会
  • [学会発表] 韓国における国籍と国民2023

    • 著者名/発表者名
      國分典子
    • 学会等名
      韓国法制研究院・「韓・朝鮮半島と法」研究会合同シンポジウム
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 韓国の裁判活動における司法権の限界と裁判官の役割としての「賢者性」― 憲法裁判に対する「法と政治」の峻別論を中心として2023

    • 著者名/発表者名
      岡克彦
    • 学会等名
      アジア法学会2023年度研究大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 同性婚をめぐる日本の判例動向2023

    • 著者名/発表者名
      水島玲央
    • 学会等名
      東亜憲法フォーラム(主催・中国 遼寧大学)
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Local regulations quality and the local economy in Indonesia: A geospatial exploratory analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Shimada Yuzuru, Carlos Mendez-Guerra, Bangkit A. Wiryawan
    • 学会等名
      Asian Law and Society Association (ALSA) Annual Meeting
    • 国際学会

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公開日: 2024-12-25  

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