研究課題
本年度は、研究最終年度として、持続可能な開発目標(SDGs)と国際法の関係に関する総括的研究をおこなった。SDGsの環境面の目標でとして挙げられる気候変動(目標14)や生物多様性(目標15)の課題に対する国際法の動向を調査した結果、いくつかの重要な傾向を確認することができた。まず、気候変動に関して、各国の国内裁判において、気候変動訴訟が活発化しており、その中で気候変動が人権問題として捉えられる傾向が顕著に見られた。これは、環境法と人権法の接合を示す重要な事例として注目される。また、気候変動や生物多様性などの問題において、少数人民に対する配慮の必要性が一般的に認識される。これは、環境法と人権法の融合が進んでいることを示す重要な兆候と言える。一方で、経済法と環境法については、従前より、GATT/WTOのレジーム下での衝突の可能性が指摘されている。特に、遺伝資源の利用と配分を規定する名古屋議定書とWIPOまたはWTOの議論が注目されている。これらの研究成果は、韓国・ソウルで開催されたシンポジウムで、高麗大学校およびKRIBBの研究者と共有した。また、国連海洋法条約の下で採択された国家管轄権外区域の海洋生物多様性に関する実施協定の評価も含め、多様なレジームで立法される国際規範の統合と調和をはかるSDGsの役割が再確認された。本研究の結果、人権法、環境法、経済法との相互補完性をどのように担保していくかが重要であることを再認識することができた。他方で、2023年の国連総会では、SDGsの達成に多くの懸念が表明されているため、今後は、SDGsの達成のために、法的拘束力を持つ国際法がどのような役割を果たすかという観点を注目しなければならないとの結論に至った。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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商学討究
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