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2021 年度 実績報告書

宇宙の商業利用がもたらす「宇宙法」の変容と課題--新時代のルール形成に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 20H01438
研究機関横浜国立大学

研究代表者

笹岡 愛美  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (50557634)

研究分担者 友岡 史仁  日本大学, 法学部, 教授 (00366535)
小塚 荘一郎  学習院大学, 法学部, 教授 (30242085)
二杉 健斗  大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (30824015)
増田 史子  岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (60362547)
重田 麻紀子  青山学院大学, 会計プロフェッション研究科, 教授 (60404977)
石井 由梨佳  防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工学群), 人文社会科学群, 准教授 (80582890)
青木 節子  慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (90317339)
竹内 悠  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 有人宇宙技術部門, 主任 (90869819)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード宇宙法 / NewSpace
研究実績の概要

本研究課題は、NewSpaceと呼ばれる宇宙産業の構造変化のなかで現れてきたさまざまな法的課題について、複数の法領域の研究者が共同して、総合的かつ多角的な観点から検討を加えることを目的とするものである。2021年度は、各自の個別研究のほか、年度中に3回の研究会を実施し、研究報告やゲストスピーカーによる講演を実施した。研究の成果は、雑誌論文等のほか、代表的な学会等(第65回宇宙科学技術連合講演会、第67回日本空法学会、第13回宇宙法シンポジウム)において公表されている。
第1回研究会(2021年8月開催)では、2019年に国内の宇宙活動法を整備したアラブ首長国連邦(UAE)で活躍する弁護士をゲストスピーカーとして招聘し、オンラインで講演を実施していただいた。講演では、UAE宇宙法の紹介のほか、UAEにおける産業振興政策やビジネスサイドの受け止め方について詳細に教示していただいた。第3回研究会(2022年3月開催)では、宇宙デブリ・サステナビリティ格付け制度(SSR)について、制度作りに参画されている国内の専門家を招聘し、意見交換を実施した。
2021年度は、国際宇宙ステーション(ISS)や国際電気通信衛星機構(旧インテルサット)の民営化というひとつのテーマについて、国際法、民事法、行政法の研究者が、国際公役務や民営化の手法というそれぞれの観点から分析検討を行うことができ、分野を超えて共同研究を実施するという本研究課題の意義を感じた1年であった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

各自が個別研究の成果を順調に公表することができており、共同研究についても、研究会を通じてテーマの選定等が進んでいる。
2020年度と同様に、渡航制限の影響等により、海外調査については予定よりも進行が遅れている。その中で、UAEからスピーカーを招いてオンライン研究会を実施することができたことは、大きな成果である。
なお、2021年度の国際宇宙会議(IAC)はドバイで開催されたため、例年は研究報告をしているメンバーの多くが参加することができなかった。

今後の研究の推進方策

今後も、まずは各自が、文献調査、ヒアリング調査等によって、これまで行ってきた各論的研究を深めていく。これと並行して、伝統的な法領域を超えて、一つのテーマについて多角的な視点から共同して分析・検討を進める作業を加速させていきたい。具体的には、宇宙に関わる公的機関の民営化、公共調達のあり方、宇宙への民間人輸送等に関する法的課題について、国際法、民事法、経済法、行政法の観点から共同研究を行うことを予定している。
本研究課題では、定期的な研究会の場を通じて、各研究者の関心や研究手法等を相互に理解し、共同研究につなげていくことを重視している。今後も、年度内に2回から3回のペースで研究会を開催する予定である。過去2年間、特段の支障がなかったことから(むしろ参加機会の拡大につながった)、研究会は、引き続きオンラインで実施する予定である。
これまでと同様、海外動向の調査が課題となるが、2021年度に実施した、UAE在住のゲストスピーカーとの会合から、時差5時間以内であれば、双方にとって無理のない時間帯にオンライン研究会を開催することが可能であることがわかった。今後もオンラインを念頭に、海外の宇宙機関等に対するヒアリング調査等を実施していく予定である。
また、国内外における主要な学会等での研究成果の公表に努める。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (5件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 宇宙デブリ除去に関する国際法上の評価2022

    • 著者名/発表者名
      石井由梨佳
    • 雑誌名

      空法

      巻: 62 ページ: 6891,6910

  • [雑誌論文] 宇宙有人飛行と国際公法2022

    • 著者名/発表者名
      石井由梨佳
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 497 ページ: 46,49

  • [雑誌論文] 衛星リモセン法:国内宇宙法、外国法制との比較の観点から2021

    • 著者名/発表者名
      青木節子
    • 雑誌名

      日本リモート・センシング学会誌

      巻: 41(2) ページ: 321, 323

    • DOI

      10.11440/rssj.41.321

  • [雑誌論文] 中国の台頭と新たな宇宙抑止の可能性2021

    • 著者名/発表者名
      青木節子
    • 雑誌名

      ディフェンス

      巻: 40(1) ページ: 112,124

  • [雑誌論文] ‘Jurisdiction and Control’ over Space Products in the Age of Moon and Mars Settlement: An Analysis from a Private Law Perspective’2021

    • 著者名/発表者名
      Fumiko Masuda
    • 雑誌名

      Proceedings of the Institute of International Space Law 2020

      巻: - ページ: 143,154

  • [雑誌論文] 自由貿易協定(FTA)とサステナビリティ-EUのFTAにおける「貿易と持続可能な発展」章の意義と課題2021

    • 著者名/発表者名
      二杉健斗
    • 雑誌名

      論究ジュリスト

      巻: 37 ページ: 69,74

  • [学会発表] 宇宙法政策とSDGs2021

    • 著者名/発表者名
      小塚荘一郎
    • 学会等名
      第65回 日本航空宇宙学会宇宙科学技術連合講演会
  • [学会発表] 軌道上サービスと民事責任に関する政策課題2021

    • 著者名/発表者名
      重田麻紀子, 小塚荘一郎
    • 学会等名
      第65回 日本航空宇宙学会宇宙科学技術連合講演会
  • [学会発表] 持続可能な宇宙活動の規範的展開2021

    • 著者名/発表者名
      竹内悠
    • 学会等名
      第65回 日本航空宇宙学会宇宙科学技術連合講演会
  • [学会発表] スペースデブリ除去に関する国際公法上の課題2021

    • 著者名/発表者名
      石井由梨佳
    • 学会等名
      第67回 日本空法学会
  • [学会発表] 世界の宇宙ビジネス法:海外事例から学ぶこれからの宇宙法制2021

    • 著者名/発表者名
      笹岡愛美
    • 学会等名
      第25回ニュースペース研究会
  • [図書] 経済行政法の実践的研究2022

    • 著者名/発表者名
      友岡史仁
    • 総ページ数
      386
    • 出版者
      信山社
    • ISBN
      978-4-7972-8251-1

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公開日: 2022-12-28  

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