研究課題
最終年度に当たる2022年度にようやく国際交流が可能になっただが、本科研としては本科研終了直前の2023年3月にアメリカのボストンで開催されたAAS(American Association of Asian Studies)にて、“Beyond the Tribute/Treaty Dichotomy”(B002)を開催し、博士課程研究者を中心とした研究者により清朝期の対外関係、対外認識をめぐる議論を行うことができた。19世紀中葉には「天朝の定制」に即した対外認識、対外政策が継続さ、必ずしも変容がないことが確認でき、だからこそ19世紀末からの変容の原因についての疑問が一層強まった。この点については、19世紀末から清朝中央と地方の総督ら地方大官との間での対外政策の面での齟齬や20世紀初頭に主要地方大官の死などが注目できる。また、コロナ禍によって研究活動は大幅に抑制されたが、研究会活動(東アジア国際関係史研究会)では、日本、中国などの若手研究者によるそれぞれの時期の実証的な研究を推進した。20世紀中葉の中華民国から中華人民共和国の時期の連続性、断絶性については、主権や国境の維持、国土の一体性などといった近代国家の理念としての連続性についてはすでに指摘がなされているものの、人事的な断絶性について中国大陸に残った民国時期の外交官(であったものの境遇に関する)研究を事例研究レベルで行うことができた。他方、習近平の対外理念、政策について、いかにしてカラー革命などを「脅威」として位置付け、国家の安全、そして対外政策などが立案されているのかということについて事例研究を行うことができた。だが、総じて、コロナ禍によって海外での史料収集、研究交流などの面で研究活動は大幅に抑制されたために所期の目標は必ずしも十分に達成はできなかった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (19件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件、 招待講演 4件) 図書 (11件) 備考 (1件)
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