研究課題/領域番号 |
20H01464
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
五百籏頭 薫 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40282537)
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研究分担者 |
市川 智生 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (30508875)
松居 宏枝 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 都市文化研究センター研究員 (40837366)
福岡 万里子 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50740651)
大西 楠テア 専修大学, 法学部, 教授 (70451763)
稲吉 晃 新潟大学, 人文社会科学系, 教授 (70599638)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ドイツ / 米国 / 薩摩 / 長州 / 条約改正 / 開国 / 検疫 / 港湾 |
研究実績の概要 |
新型コロナの感染が下火となり、史料調査や学術交流が復活しつつあるため研究計画は大きく進展した。一部を繰り越して2022年度中に利用したことは、特に有益であった。成果の一部を例示するならば、五百旗頭による海外史料調査では、研究計画にとって重要なテーマである領事業務の実態について貴重な史料を発見することができた上に、米国の現役の領事及びその関係者とのネットワーク構築に成功し、19世紀の領事業務をうかがわせる重要な史料の提供を受けることができた。新たに研究協力者を加えて国内史料調査も増強させることができた。米国のアジア研究を代表する学会Association for Asian Studiesに五百旗頭と稲吉がそれぞれ別のパネルで報告の機会を得たのも、研究代表者・研究者によるネットワーク構築の成果であろう。さらにドイツの海外歴史研究機関の連合総会Max Weber Foundationがヨーロッパ外ではじめての開催を決定し、五百旗頭に基調講演を依頼したことは、日欧の学術交流において特筆すべきことと考える(2023年5月9日実施)。 史料調査及び研究会を重ね、その成果を日本政治学会の機関誌『年報政治学』2022-II号の特集「幕末・明治期の国際関係再考」として世に問うことができた。日本政治学会としては歴史研究を主題とした久方ぶりの特集であり、歴史学及び政治学に与えたインパクトや両者のシナジー効果への貢献は大きかったと考える。 歴史研究を活かしてどう現在を理解するかについても活発な発信を行った。特に五百旗頭が安倍元首相銃撃事件とウクライナ戦争についてウェブ上で論考を発表した。この研究計画の知見が持つ社会的意味を確認する上で有益であったと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ドイツを中心とするヨーロッパの歴史学会との交流が深まり、米国のAssociation for Asian Studiesでも研究報告が行う等、コロナ後の国際交流に大きな成果が上がったため。
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今後の研究の推進方策 |
感染状況を見極めながら、これまでできなかった史料調査を補完し、研究計画の完成を目指す。海外出張の実施が感染拡大のため遅延し、繰り越し等の工夫は行ったものの、最終年度の状況は出張の需要は極めて大きく、残額は非常に限られているという状況である。代表者・研究者間の予算配分は難しい決断の積み重ねとならざるを得なかった。貴重な予算をこれまで以上に有効に活用していきたい。
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