東アジア秩序再編と統合の進展における日中ASEAN

2022 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20H01472
• 研究機関: 神奈川大学
• 研究代表者: 大庭 三枝 神奈川大学, 法学部, 教授 (70313210)
• 研究分担者: 清水 一史 九州大学, 経済学研究院, 教授 (80271625) ; 本名 純 立命館大学, 国際関係学部, 教授 (10330010) ; 川島 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90301861) ; 鈴木 早苗 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30466073) ; 青木 まき 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 地域研究センター東南アジアI研究グループ, 研究グループ長代理 (90450535) ; 高木 佑輔 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (80741462)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 地域秩序 / 東南アジア / ミドルパワー / 小国 / 中国 / アメリカ / 日本

研究実績の概要

2022年度は、メンバーそれぞれが自分が割り当てられたテーマに沿った研究を継続しつつ、外部講師の講演、メンバーの発表、出張等の打ち合わせなどを内容とした6回の研究会を行った。また、10月および翌2023年3月、メンバーによるタイの総選挙の視察を目的とする出張により、同国の政治変動と地域秩序との関連についての考察を行った。さらに、同3月にマレーシア・シンガポールにて、現地政府関係者や研究者の聞き取り調査及び意見交換を行った。さらに繰り越しを行い、研究を継続した2023年度についても、メンバーそれぞれが自分が割り当てられたテーマに沿った研究を継続しつつ、外部講師の講演、メンバーの発表、出張等の打ち合わせなどを内容とした6回の研究会を行った。また11月から12月にかけて、ラオスとベトナムに出張し、中国ラオス高速鉄道視察をはじめとした現地調査と両国における政策立案関係者や研究者らとからの聞き取り調査および意見交換を行った。
これらの研究活動を通じ下記の知見を得た。（1）各国内の政治経済への中国の影響の増大とともに、東南アジア諸国の様々なアクターが中国の影響力拡大を認めつつそれを必ずしも否定的に捉えず、また中国以外のアメリカ、日本、オーストラリアなどの影響についても注視し、バランス戦略を採る姿勢を崩していない（2）ただ、そうした戦略がどこまで可能かは、国毎に状況が異なる。（3）現在変動しつつある地域秩序と各国内における政治経済の動きとの強い関連については、いくつかの具体例によって示すことが可能である。ただ、各国内の状況は外部の大国からの関与によって生じると言うよりもむしろそれぞれの国内アクターによる内発的な動きと捉えるべきである。そしてそれが秩序全体に与える方向性を丁寧に考察する必要がある。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 広域秩序におけるASEAN諸国と日本 (2023)
  • 著者名/発表者名: 大庭三枝
  • 雑誌名: 世界経済評論 巻: 67-5 ページ: 20-28
• [雑誌論文] 日ASEAN５０周年：日本は東南アジアとどう向き合ってきたのか (2023)
  • 著者名/発表者名: 大庭三枝
  • 雑誌名: 国際問題 巻: 713 ページ: 53-64
• [雑誌論文] 『安定と統合』から戦略的自立の模索へ (2023)
  • 著者名/発表者名: 大庭三枝
  • 雑誌名: 外交 巻: 82 ページ: 24-31
• [雑誌論文] Elite opposition and popular rejection: the failure of presidential term limit evasion in Widodo’s Indonesia (2023)
  • 著者名/発表者名: Honna, Jun, Mietzner Marcus
  • 雑誌名: South East Asia Research 巻: 31 ページ: 115～131
  • DOI: 10.1080/0967828X.2023.2236542
• [雑誌論文] 中国から見た「グローバルサウス（全球南方）」 (2023)
  • 著者名/発表者名: 川島真
  • 雑誌名: 安全保障研究 巻: 5-4 ページ: 27-40
• [雑誌論文] 「竹の外交」から「多元的外交」へ――戦後タイ外交再考のための論点整理と課題提示―― (2023)
  • 著者名/発表者名: 青木（岡部） まき
  • 雑誌名: アジア経済 巻: 64 ページ: 23～43
  • DOI: 10.24765/ajiakeizai.64.2_23
• [雑誌論文] 革新派野党の躍進、タクシン派野党の迷走──タイ下院選挙の分析と連立形成への展望 (2023)
  • 著者名/発表者名: 青木（岡部） まき
  • 雑誌名: IDEスクエア 巻: 2023-10 ページ: -
• [雑誌論文] タクシン派連立政権の成立はタイ政治に安定をもたらすのか？ (2023)
  • 著者名/発表者名: 青木（岡部） まき
  • 雑誌名: IDEスクエア 巻: 2023-10 ページ: -
• [雑誌論文] 2023年タイ下院選挙の顛末とその展望 ［国民的和解］は政治の安定につながるのか？ (2023)
  • 著者名/発表者名: 青木（岡部） まき
  • 雑誌名: 所報 巻: 192 ページ: 8-9
• [雑誌論文] ASEANのミャンマーへの関与とその変化 (2023)
  • 著者名/発表者名: 鈴木早苗
  • 雑誌名: アジア研究 巻: 69 ページ: 71～83
  • DOI: 10.11479/asianstudies.as23.si12
• [雑誌論文] 新興国フィリピンの外交：対米関係の強化、地域外交の深化と国際主義の展開 (2023)
  • 著者名/発表者名: 高木佑輔
  • 雑誌名: 国際問題 巻: 2023-9 ページ: 32-37
• [雑誌論文] 巻頭言 ―アジアの信頼醸成 (2022)
  • 著者名/発表者名: 大庭三枝
  • 雑誌名: 国際安全保障 巻: 50 ページ: 1～13
  • DOI: 10.57292/kokusaianzenhosho.50.3_1
• [雑誌論文] Health security in Indonesia and the normalization of the military’s non-defence role, (2022)
  • 著者名/発表者名: Honna, Jun
  • 雑誌名: Trends in Southeast 巻: 13 ページ: -
• [雑誌論文] インドネシア「両にらみ」のしたたかさ：G20サミットに向けたウクライナ情勢への対応と国内政治 (2022)
  • 著者名/発表者名: 本名純
  • 雑誌名: 外交 巻: 73 ページ: 104-107
• [雑誌論文] コロナとテロリズム：東南アジアの経験 (2022)
  • 著者名/発表者名: 本名純
  • 雑誌名: 修親 巻: 2022-5 ページ: 10-13
• [雑誌論文] グローバルサウスに働きかける中国―中国の描く世界と米中「対立」像 (2022)
  • 著者名/発表者名: 川島真
  • 雑誌名: 安全保障研究 巻: 4-3 ページ: 97-110
  • 査読あり
• [雑誌論文] China as “Empire”: Perceptions of the Tributary System and the Boundaries of China in the Twentieth Century (2022)
  • 著者名/発表者名: Kawashima, Shin
  • 雑誌名: The Japan Institute of International Affairs / Resource Library 巻: 2022-9 ページ: 1-13
• [雑誌論文] War in Ukraine from China’s Perspective: Limited Options for State that Cannot Reject Existing Policies (2022)
  • 著者名/発表者名: Kawashima, Shin
  • 雑誌名: Asia-Pacific Review 巻: 29 ページ: 35～55
  • DOI: 10.1080/13439006.2022.2110238
• [雑誌論文] 習近平政権の歴史政策：馬工程と四史 (2022)
  • 著者名/発表者名: 川島真
  • 雑誌名: 歴史系検討会論文集 巻: 2022-3 ページ: 1-13
• [雑誌論文] ASEAN［民主主義問題］の複層性 (2022)
  • 著者名/発表者名: 青木（岡部） まき
  • 雑誌名: 外交 巻: 71 ページ: -
• [雑誌論文] 動き出すタイ政治: 次期下院選挙の対立軸を考える (2022)
  • 著者名/発表者名: 青木（岡部） まき
  • 雑誌名: IDEスクエア 巻: 2022-8 ページ: 53-39
• [雑誌論文] ASEAN議長国によるミャンマー政治危機への対応 (2022)
  • 著者名/発表者名: 鈴木早苗
  • 雑誌名: IDEスクエア 巻: 2022-4 ページ: -
• [雑誌論文] The politics of grand strategy in an emerging state: a case study on Philippine diplomacy toward China (2022)
  • 著者名/発表者名: Takagi, Yusuke
  • 雑誌名: Journal of Contemporary East Asia Studies 巻: 11 ページ: 329～345
  • DOI: 10.1080/24761028.2023.2188354
• [学会発表] 『グローバル・サウス』概念の登場：その背景と課題 (2023)
  • 著者名/発表者名: 大庭三枝
  • 学会等名: 研究・イノベーション学会国際問題分科会
  • 招待講演
• [学会発表] AUKUSのインド太平洋地域秩序へのインパクト：ASEAN諸国からの視点を中心に (2023)
  • 著者名/発表者名: 大庭三枝
  • 学会等名: 日本オーストラリア学会
  • 招待講演
• [学会発表] Advancing institutionalization in Asia in the regional order in turmoil：The starting point to consider the cooperation regarding the digital economy (2023)
  • 著者名/発表者名: Oba, Mie
  • 学会等名: Central Institute for Economic Management (CIEM), Vietnam-Japan Research Forum
  • 国際学会 / 招待講演
• [学会発表] 戦後日本の中国政策と中国認識 (2023)
  • 著者名/発表者名: 川島真
  • 学会等名: 第17回ワルシャワ大学日本祭・国際研究大会
  • 招待講演
• [学会発表] “面向未来”：紀念中日邦交正常化50周年国際学術研討会 (2022)
  • 著者名/発表者名: 川島真
  • 学会等名: 中国社会科学論壇
  • 国際学会
• [学会発表] Japan- China Relations After 50 Years(1972-2022): Past, Present, & Future…? (2022)
  • 著者名/発表者名: Kawashima, Shin
  • 学会等名: A Special Indiana University / University of Tokyo Joint Webinar
  • 国際学会
• [学会発表] 変わったもの・変わらないもの：50年の日中関係を振り返る (2022)
  • 著者名/発表者名: 川島真
  • 学会等名: 日本華人教授会議2022年度 日中国交正常化50周年記念フォーラム
• [図書] 新興アジアの政治と経済 (2024)
  • 著者名/発表者名: 高木祐輔、伊藤亜星
  • 総ページ数: 252
  • 出版者: 放送大学教育振興会
• [図書] 高まる地政学的リスクとアジアの通商秩序：現状と課題、展望 (2023)
  • 著者名/発表者名: 石川幸一・馬田啓一・清水一史・大庭三枝以下名11名
  • 総ページ数: 230
  • 出版者: 文眞堂
• [図書] ユーラシアの自画像―「米中対立／新冷戦」論の死角 (2023)
  • 著者名/発表者名: 川島真、鈴木絢女、小泉悠、池内恵、他14名
  • 総ページ数: 435
  • 出版者: PHP
• [図書] 日中関係2001-2022 (2023)
  • 著者名/発表者名: 川島真、高原明生、園田茂人、丸川知雄、他10名
  • 総ページ数: 432
  • 出版者: 東京大学出版会
• [図書] 中日関係 2014-2018 (2023)
  • 著者名/発表者名: 川島真、胡令遠、臧志軍
  • 総ページ数: 500
  • 出版者: 上海人民出版社
• [図書] Business and Populism: The Odd Couple? (2023)
  • 著者名/発表者名: Takagi, Yusuke, Magnus Feldmann, Glenn Morgan and other 16 authors
  • 総ページ数: 369
  • 出版者: Oxford University Press
• [図書] ASPI Special Report Covid-19: Implications for the Indo-Pacific (2023)
  • 著者名/発表者名: Takagi, Yusuke, David Engel, Alex Bristow and 7 authors
  • 総ページ数: 75
  • 出版者: ASPI
• [図書] RCEPと東アジア (2022)
  • 著者名/発表者名: 石川幸一・清水一史・助川成也・大庭三枝以下5名
  • 総ページ数: 220
  • 出版者: 文眞堂
• [図書] Military Operation and Engagement in the Domestic Jurisdiction: Comparative Call-Out Laws (2022)
  • 著者名/発表者名: Honna, Jun, Pauline Collins, Rosalie Arcala Hall and other 14 authors
  • 総ページ数: 403
  • 出版者: Brill Nijhoff
• [図書] UP plus 習近平の中国 (2022)
  • 著者名/発表者名: 川島真、小嶋華津子、他9名
  • 総ページ数: 192
  • 出版者: 東京大学出版会
• [図書] 「強国」中国と対峙するインド太平洋諸国 (2022)
  • 著者名/発表者名: 高木佑輔、竹中治堅 他7名
  • 総ページ数: 256
  • 出版者: 千倉書房