研究課題
●本研究の究極的な目的は、経済学の歴史300年余で蓄積されてきた《良き社会》論の学説を、「自由主義」の変容過程に基づく三時代区分から効果的に再構成することである。本研究の学術的な独自性は、①300年余という長期的視野、②ミドルデータ(およそ10万語以上から1億語以下)の構築、③各時代区分やデータベースに合わせた多様なテキスト解釈、という三点に集約される。●2023(令和5)年度の具体的な目標は、経済学の現代的時代(1970s-)を対象に、日本の言語空間において、ネオリベラリズム(新自由主義)の変容や浸透度を適切に測ることにあった。経済学史学会の全国大会・地方部会や経済思想研究会(仙台)、あるいはオンライン会議において共同研究を重ねつつ、いくつかの成果をあげることができた。●ここではその代表例を2つだけ取り上げよう。第一に、「計量テキスト分析による《新自由主義》の共起-媒体ごとの40年間変遷」『龍谷大学経済学部ディスカッション・ペーパー』No. 23-01, June 2023.である。この論考における最大の発見は、学術系・新聞系・議会系・世俗系という媒体別に、40年間にわたって「新自由主義」という用語を検索後とするデータベースを構築したうえで、10年ごと媒体別の出現頻度や共起関係を可視化したことである。第二に、経済学史学会 2023年度86回大会(於・専修大学)2023.5.21において、セッション「資本主義の未来」を代表者として取り仕切ったことである。ここにおいて、経済学の歴史を踏まえた「良き社会とは何か」を考察した。具体的には、①過去の経済学者(この場合は、マルクス、シュンペーター、ポランニー)が資本主義の多様性や類型をどのように唱えていたか、②その観点から「脱資本主義論」や「新しい資本主義論」という現代的なテーマとどの程度、連続性・非連続性があるか、を論じた。
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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