研究実績の概要 |
本研究課題では,ファクターモデルと罰則化法を用いて,時系列・パネルデータを分析するための新しい統計手法を開発し,関連する実証研究を行う。 早川は,観測誤差を含むパネル回帰モデルの新しい推定量の開発を行った。特に,理論的な分析と計算アルゴリズムの開発に焦点を当てた。 早川・山形は,前年度に取り組んだクロスセクションごとに異なる回帰係数を持つパネルデータモデルの新しい推測方法の論文に関する改訂を行った。特に先行研究との比較や追加的な理論的分析を行い,再投稿をした。その結果,国際学術雑誌Journal of Business and Economic Statistics に掲載が決まった。 山田は,前年度に開発した多変量時系列データの連続区分線形トレンド共有構造を解明する新たな分析手法の拡張に取り組み成果を得た。研究成果をまとめた論文は有力な国際学術誌に掲載が決定した。 植松・山形は,前年度に投稿した「負荷行列のスパース性に誘導される弱いファクター」を持つ近似的ファクターモデルの推定と推測に関する2つの論文の改訂作業に取り組んだ。Uematsu et al (2019)によって提案されたSOFARに基づく手法や理論面に大きな変更はなかったものの,イントロダクションや本文の構成を中心に改訂した。その結果,2本とも国際学術雑誌Journal of Business and Economic Statisticsに掲載が決まった。また,得られた手法を応用することで,効率的な高次元共分散推定や大規模ポートフォリオ選択問題を考察した。
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