研究課題/領域番号 |
20H01496
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大槻 恒裕 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 教授 (40397633)
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研究分担者 |
利 博友 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 名誉教授 (40283460)
松本 茂 青山学院大学, 経済学部, 教授 (00330168)
鍋嶋 郁 早稲田大学, 国際学術院(アジア太平洋研究科), 教授 (70720647)
本田 圭市郎 熊本県立大学, 総合管理学部, 准教授 (20707848)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 製品安全規制 / グローバルバリューチェーン / 垂直的波及 / 誘発的技術革新 / コンプライアンスコスト |
研究実績の概要 |
本研究では、①製品安全規制が企業の技術革新を誘発するかどうか②その影響がグローバルバリューチェーン(GVC)を通じて他産業に波及するか③その際の各企業の反応はいかなるものかを明らかにする。また、規制対応する場合の誘発的技術革新が発生するメカニズムやその規模についても明らかにする。さらに、市場レベルで製品安全規制によりどのような需給および価格の変化が起こるのかを明らかにする。さらには、各国の経済厚生の向上や経済成長に向けてどう製品安全規制の政策を策定するかについても考察を行う。 令和4年度も新型コロナウイルスによる渡航制限のために海外でのデータ収集などが実施できなかったが、前述した目的を達成するために、まず、製品安全規制がGVCに与える影響の分析に向けて、令和4年7月頃に調査会社に委託し、インドネシアでの製造業や食品加工業の企業レベルデータを収集した。そのデータに基づき、製品安全規制の企業レベルの垂直的波及分析、および、企業レベルの誘発的技術革新分析に向けて計量分析用データを構築した。その際、予め作成した調査対象の産業とグローバルバリューチェーン(GVC)の対応に沿ってデータを組み立て、令和4年9月には予備的分析結果をまとめた。さらに、市場レベルでの製品安全規制がGVCに関わる品目の需要・供給及び価格に与える影響の分析に向けて、計量分析を進める。まず、令和4年5月から同9月にかけてUN Comtradeデータベース及び国際的産業連関表(WIOD)を組み合わせて構築したデータベースを用いて計量分析を進めた。令和4年9月には予備的結果をまとめた。また、製品安全規制が貿易に与える影響の分析に向けて、令和4年9月にはUN Comtradeデータベースから国別品目別の多国間貿易データを構築し、同規制のマクロレベルの貿易効果をグラビティモデルを用いて推定し、結果を取りまとめ発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウイルス発生に伴う渡航規制が続きインドネシアへの渡航が不可能となったものの、調査会社にデータ収集を委託し、そのデータに基づいて研究を進めることが出来た。令和4年度に入り分析が順調に進んだ。その他の研究についても、計画通りに進んでおり研究成果もワーキングペーパーや論文として刊行・投稿予定であり、研究は順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
渡航制限のために延期した海外でのデータ収集などを新型コロナウイルスの国内外感染状況を鑑みながら実施を目指す。まず、製品安全規制がGVCに与える影響の分析に向けて、インドネシアにて製造業や食品加工業の企業レベルデータを収集し、計量分析用データを構築する。その際、予め作成した調査対象の産業とグローバルバリューチェーン(GVC)の対応に沿ってデータを組み立てる。さらに、市場レベルでの製品安全規制がGVCに関わる品目の需要・供給及び価格に与える影響の分析に向けて、計量分析を進める。それらのデータの分析結果をOSIPPディスカッションペーパーにまとめ、これらの結果を取りまとめ学会発表を行う。
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