研究課題/領域番号 |
20H01499
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森保 洋 長崎大学, 経済学部, 教授 (10304924)
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研究分担者 |
阿萬 弘行 関西学院大学, 商学部, 教授 (70346906)
内田 交謹 九州大学, 経済学研究院, 教授 (80305820)
本西 泰三 関西大学, 経済学部, 教授 (90315218)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経済政策不確実性 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、今まで明示的に実証分析がなされてこなかった経済政策不確実性が我が国経済へ与える影響を明らかにすることである。具体的には、経済政策不確実性が、(1)金融市場 (2)企業行動 (3)家計の投資行動にどのような影響を与えるのかについて検証する。 今年度は、昨年度に構築したデータセットをもとに、経済政策不確実性が株価共通性と流動性共通性に与える影響についての実証分析を中心に行った。 実証分析の過程で、構築された流動性共通性のデータセットに不備が発見された。これは株式市場における取引制度変更の見落としに起因するものであった。このため、より正確な代理変数となるよう、データセットの再構築に取り組んだ。 再構築したデータセットを利用し、予備的な実証分析を行った結果、他国を分析対象とした先行研究と整合的ではない結果が得られた。このため、事前に想定していた仮説の再検討を、先行研究を再レビューすることによって行った。さらに、この非整合的な結果は推定モデルとその推定方法による可能性もあったことから、この観点からの再検討も行った。また、サンプル期間の違いなどが、異なる結果をもたらした可能性も考慮し、サンプル期間、企業特性によるサブサンプルを作成し、包括的にモデルを推定することで、先行研究と整合的な結果が得られるかどうかを試みた。しかしながら、様々なサブサンプルによっても得られる結果はほぼ同様であっため、なぜ我が国と他国で異なる結果が得られるのかを考察しつつ、ワーキングペーパーの執筆を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染性拡大のため、研究分担者との打ち合わせが、当初予定より進展していない。ビデオ会議システムを利用し、可能な限り研究打ち合わせを推進しているが、対面形式と比較すると、細かな意思伝達が思うように進まない傾向にある。また、構築したデータセットに不備が発見されたため、このデータセット再構築にも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
ビデオ会議システム等をより積極的に活用し、各研究分担者の意思疎通をより密接なものにする。これにより、遅れている仮説構築と実証分析を速やかに行い、今年度再構築したデータセットを利用し、経済政策不確実性金融市場に与える影響について、ワーキングペーパー執筆を推進する。また、経済政策不確実性が企業行動、家計の投資行動に与える影響について、基本的な実証分析を行う。
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