研究課題/領域番号 |
20H01501
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
伊藤 匡 学習院大学, 国際社会科学部, 教授 (40550413)
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研究分担者 |
神事 直人 京都大学, 経済学研究科, 教授 (60345452)
椋 寛 学習院大学, 経済学部, 教授 (90365065)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 米中貿易摩擦 / トランプ / 中国ショック |
研究実績の概要 |
2020年度に整備した米国貿易データおよび工業統計調査・経済センサスなど日本政府企業統計調査の個票を利用して、トランプ前米国大統領による対中国貿易戦争の第三国の貿易への影響及び日本の貿易への影響について分析し、論文を発表。また、所謂「中国ショック」の日本企業への影響について日本政府企業・事業所個票を用いて分析、初稿を作成した。 テーマ⑤:経済産業省の企業活動基本調査および海外事業活動基本調査のデータと、東洋経済新報社の海外進出企業データを用いて、日本企業の海外進出活動に関するデータの構築を行うとともに,Orbisデータベースを活用して外国企業に関するデータの構築を行い、予備的な分析を行った。また、トランプショックによる不確実性の高まりについて分析を行う過程において、政策的不確実性が企業の海外直接投資に与える影響について分析を行い、成果をディスカッション・ペーパーとして公表し、査読付学術専門誌に論文を投稿した。 昨年度から継続的に実施している関税パススルーに関する論文、及び新型コロナが貿易に与える影響と電子商取引の関係を実証した論文が、それぞれ英文査読誌に掲載が受理された。また、GVCsが発達している状況では、関税の引き下げが貿易を大きく上昇させる増幅効果(Magnification Effect)について研究を実施し、その成果を論文にまとめて英文査読誌に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
分析およびディスカッションペーパーまでおおむね順調に進展しているが、分析の精緻化のための学会での発表や最新分析手法の採用に関しては若干ではあるが理想的な展開よりも遅れている。。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度に発表した論文を学会などにて発表することによって他の研究者からのコメントを得、分析の精緻化を行う。 テーマ⑤の分析について、前年度の予備的分析の結果を踏まえて、さらにデータセットの構築作業を進め、本格的な分析を行う。トランプショックによる政策的不確実性の高まりを企業レベルで測定する方法については、引き続き複数のアプローチを検討する。 関税還付制度が自由貿易協定に与える影響に関する論文、および関税の貿易増幅効果に関する論文の改訂を進め、英文査読誌への掲載を目指す。また、トランプ政権下で形骸化が進んだWTOの紛争処理手続きについて、どのような要因が各国の紛争処理手続きの利用に影響を与えるのか、データを整理し実証分析を進める予定である。
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