研究課題/領域番号 |
20H01509
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大石 亜希子 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (20415821)
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研究分担者 |
西村 智 関西学院大学, 経済学部, 教授 (10351727)
可知 悠子 北里大学, 医学部, 非常勤講師 (10579337) [辞退]
野崎 祐子 椙山女学園大学, 現代マネジメント学部, 教授 (60452611)
長谷部 拓也 上智大学, 国際教養学部, 准教授 (60748896)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 非典型時間帯就労 / 子どものアウトカム / 労働時間 |
研究実績の概要 |
本研究では、「時間帯」という観点から人々が非典型時間帯(Nonstandard Work Schedules: NSWS)に働く背景を解明し、労働者や家族の健康やアウトカムに及ぼす影響を検討することを目的としている。令和4年度の研究実績は以下の通りである。 第1に、昨年度に引き続き「社会生活基本調査」(総務省)の複数年次の個票を用いて、日本における非典型時間帯就労の動向とその経年変化をもたらしている要因について、労働者構成の変化とそれ以外の要因(需要側の要因など)に分けて分析した。また、父親の非典型時間帯就労と育児時間の関係について分析を行い、学会報告を行うとともにディスカッション・ペーパーにとりまとめた。 第2に、非典型時間帯就労が子どものアウトカムに及ぼす影響については、「21世紀出生児縦断調査」の個票を用いた分析をさらに進め、母親だけでなく父親の働き方の影響の把握や、多様な子どものアウトカムを分析対象にするなどの改善を図った。具体的には、子どもの問題行動や、肥満などのように心身両面でのアウトカムを扱うこととし、研究会においてディスカッションを行った。 第3に、新型コロナウイルス流行と海外研究者の健康問題で延期されていた国際講演会と国際ワークショップを海外の非典型時間帯就労研究の専門家をまじえて2024年2月にオンラインで開催し、本研究班メンバー全員が報告を行った。国際講演会と国際ワークショップは、いずれも多数の研究者の参加を得た。また、労働政策研究・研修機構と共同主催で2024年3月に労働政策フォーラム「時間帯に着目したワーク・ライフ・バランス─家族生活と健康─」を開催し、一般および研究者を含めて多数の参加を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外研究者の健康問題により、令和5年3月までに開催を予定していた国際ワークショップを開催することができなかった。そのため、繰越を行い、令和6年2月に同ワークショップをオンラインで実施した。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたる令和5年度は以下の内容で研究を進める計画である。 (1)令和4年度に引き続き「社会生活基本調査」(総務省)の複数年次の個票を用いて、日本における非典型時間帯就労の動向とその経年変化をもたらしている要因について、労働者構成の変化とそれ以外の要因(需要側の要因など)に分けて分析する。とくに、土曜日など週末労働をすることで、平日の働き方にどのような変化が生じるかに注目する。 (2)非典型時間帯就労が労働者のメンタルヘルスや生活満足度に及ぼす影響については、労働政策研究・研修機構が2023年から開始したパネル調査も利用しつつ分析を行う。 (3)非典型時間帯就労が子どものアウトカムに及ぼす影響については、「21世紀出生児縦断調査」の個票を用いた分析をさらに進め、母親だけでなく父親の働き方の影響の把握や、多様な子どものアウトカムを分析対象にするなどの改善を図る。
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