研究課題/領域番号 |
20H01533
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
忽那 憲治 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (00275273)
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研究分担者 |
沈 政郁 京都産業大学, 経済学部, 教授 (70706499)
坂井 貴行 神戸大学, バリュースクール, 教授 (40539821)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ファミリービジネス / イノベーション / 地方創生 / 産学連携 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ファミリービジネス(同族企業)のイノベーション活動と地方創生との関連性を実証的に研究し、学術的、実践的、政策的なインプリケーションを提示することである。2020年度はファミリービジネスのイノベーション活動に関する研究レビューと実態把握を実施した。リサーチクエスチョンを明確に設定するために、①ファミリービジネスのイノベーション活動の定義とパフォーマンスの評価指標、②ファミリービジネスのイノベーション活動と地域経済の活性化との関連性、という2つの視点からファミリービジネス関連の先行研究の整理・分析を行った。 分析に用いるデータセットについても、プロネクサス『株式公開白書』各年版、IPO企業の目論見書を入手して、リサーチアシスタントの大学院生によるエクセルへの入力作業を行った。2021年度は引き続き、INITIALのデータセット、日本経済研究所の企業財務データベース、東洋経済新報社の役員データベース、日本経済新聞社のNEEDS企業活動情報、東洋経済新報社の地域経済総覧のデータから本研究の分析に用いるデータを特定し、これまで整備してきた2016 年までのデータとの統合・拡張を図る。 また、こうした計量分析を行うための準備と併行して、地方創生との関連性で大学との産学連携を利用して興味深い事業を展開するファミリービジネス8社のケース分析を行った。分析の成果を中央経済社から書籍として出版するための原稿の執筆作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度に予定していた先行研究のレビュー、データセットの整備、ケース分析のとりまとめは全て予定どおり順調に作業を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
ファミリービジネスのイノベーション活動に関する先行研究の包括的レビューについては、忽那と沈が分担して引き続き実施し、リサーチデザインの検討を行う。トップレベルの国際ジャーナルに採択されるために、リサーチデザインの設計に慎重に取り組む。リサーチクエスチョンを明確に設定するために、①ファミリービジネスのイノベーション活動の定義とパフォーマンスの評価指標、②ファミリービジネスのイノベーション活動と地域経済の活性化との関連性、という2つの視点からファミリービジネス関連の先行研究の整理・分析を行い、リサーチデザインの検討を行う。 先行研究レビューとリサーチデザインの議論を踏まえて、分析に必要となるデータ整備を包括的に実施する。プロネクサス『株式公開白書』各年版、IPO企業の目論見書を入手して整備したデータセットをベースにして、INITIALのデータセット、日本経済研究所の企業財務データベース、東洋経済新報社の役員データベース、日本経済新聞社のNEEDS企業活動情報、東洋経済新報社の地域経済総覧のデータから分析に用いるデータを特定し、これまで整備してきた2016 年までのデータとの統合・拡張を図る。それらのデータを用いて記述的な分析結果のとりまとめを行うとともに、メンバー間での分析枠組みの共有を図る。 忽那と坂井で実施してきたファミリービジネス8社のケース分析の研究成果を中央経済社から書籍として出版するための作業を行う。こうした活動と並行して、地域経済の活性化への影響を考えたとき、雇用創出が重要な指標であることから、従業員数の増加が大きい地方のファミリービジネスを選定し、ケース分析する。
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