これからの組織に求められる危機への対応とレジリエンス：高信頼性組織論の視点から

2022 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20H01543
• 研究機関: 明治大学
• 研究代表者: 中西 晶 明治大学, 経営学部, 専任教授 (70347277)
• 研究分担者: 星 和樹 開志専門職大学, 事業創造学部, 准教授 (10409485) ; 黒澤 壮史 日本大学, 商学部, 准教授 (10548845) ; 寺本 直城 拓殖大学, 商学部, 准教授 (10755953) ; 近藤 光 日本大学, 商学部, 講師 (10762148) ; 矢寺 顕行 大阪産業大学, 経営学部, 教授 (20582521) ; 吉野 直人 西南学院大学, 商学部, 准教授 (20710479) ; 藤川 なつこ 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (30527651) ; 高木 俊雄 昭和女子大学, 生活機構研究科, 准教授 (80409482) ; 四本 雅人 長崎県立大学, 経営学部, 准教授 (90547796) ; 三沢 良 岡山大学, 教育学域, 准教授 (90570820)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 高信頼性組織 / レジリエンス / 組織不祥事 / 組織ルーティン / 心理的安全性

研究実績の概要

2022年度は最終年度であったが，新型コロナウイルス感染症の影響は引き続き大きく，またウクライナ有事もあり，十分な研究活動ができたとは言いがたい。その理由の第一は，本研究の対象である現場が上記のような不測の事態の対応に対して没入するしている状況においての介入が対象の混乱やパフォーマンスの低下，あるいは最悪の事態を招く危険性があることがすでに過去の研究で明らかになっていたことである（中西, 2007)。第二に，研究者が所属機関における事態の対応に大幅なエフォートをさく必要があったことや，保育園・学校の休園・休学による家庭での負担の増加，本人や家族の罹患などがあったことである。学術的成果にはつながらないものの，こうした状況にたいする対応においての実践においては本研究での知見を活かすことができたと考える。たとえば，所属機関における授業運営や情報共有のあり方については，高信頼性組織における組織行動や組織マネジメントが適用可能である。
このように厳しい状況において，組織のレジリエンスとは何か，高信頼性組織の概念はどこまで適用できるかを検討するとともに，組織不祥事の社会問題化（中原）や組織ルーティンの概念整理（吉野），チームの心理的安全性（三沢）など，本研究の基盤となるテーマについて研究成果をまとめることができた。また，これまでの研究成果をもとにしたアウトリーチとして，ヒューマンエラーや認知バイアスを考慮した思考法，セキュリティや企業倫理のあり方について，諸官庁や企業にたいするインプットを行うことができた（中西）。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

研究成果

• [雑誌論文] 組織ルーティンの遂行性と創造する官僚制組織 (2023)
  • 著者名/発表者名: 吉野直人
  • 雑誌名: 創造する経営学〈経営学史叢書 第Ⅱ期 第7巻 創造性〉 巻: - ページ: 69-85
• [雑誌論文] 大学部活動におけるチームリーダーシップの影響：“活気あるチームづくり”のためにリーダーにできること (2023)
  • 著者名/発表者名: 三沢 良, 西 陽子
  • 雑誌名: 岡山大学大学院教育学研究科研究集録 巻: 182 ページ: 1-11
• [雑誌論文] 組織ルーティン概念の変遷と今後の展望 (2022)
  • 著者名/発表者名: 吉野直人
  • 雑誌名: 組織論レビューⅣ：マクロ組織と環境のダイナミクス 巻: - ページ: 65-83
  • 査読あり
• [雑誌論文] 同型化圧力のCSR活動に与える影響に関する考察ーコーヒー関連企業の事例研究を通してー (2022)
  • 著者名/発表者名: 李ロ, 藤川なつこ
  • 雑誌名: 日本経営診断学会第55回全国大会予稿集 巻: - ページ: 89-92
• [雑誌論文] 職員室の心理的安全性：教師の協働を阻む対人関係リスクに関する検討 (2022)
  • 著者名/発表者名: 三沢 良, 鎌田 雅史
  • 雑誌名: 岡山大学大学院教育学研究科研究集録 巻: 180 ページ: 17-26
• [雑誌論文] チームのバーチャルな相互作用を規定する課題特性：デジタルツールの効果的活用への示唆 (2022)
  • 著者名/発表者名: 三沢 良, 藤村まこと
  • 雑誌名: 岡山大学大学院教育学研究科研究集録 巻: 181 ページ: 1-14
• [学会発表] The Impact of Isomorphic Pressure on CSR Activities: A Case Study of Companies Related to Coffee (2023)
  • 著者名/発表者名: 李 ロ，藤川なつこ
  • 学会等名: International Conference on Business, Economics & Information Technology (ICBEIT) 2023 2023年3月13日
  • 国際学会
• [学会発表] 同型化圧力の CSR 活動に与える影響に関する考察—コーヒー関連企業の事例研究を通して― (2022)
  • 著者名/発表者名: 李 ロ，藤川なつこ
  • 学会等名: 第203回日本経営診断学会関西部会 2022年9月10日
• [学会発表] 同型化圧力の CSR 活動に与える影響に関する考察—コーヒー関連企業の事例研究を通して― (2022)
  • 著者名/発表者名: 李 ロ，藤川なつこ
  • 学会等名: 日本経営診断学会第55回全国大会 2022年10月8日
• [学会発表] 数値化された制度が誘発する組織不正 (2022)
  • 著者名/発表者名: 中原翔
  • 学会等名: 日本情報経営学会第83回全国大会
• [学会発表] 組織の正しさと危うさ：制度派組織論と価値評価研究の観点から (2022)
  • 著者名/発表者名: 中原翔
  • 学会等名: 第84回人事制度研究会
• [学会発表] 組織として危機対応 ～大規模自然災害にどのように立ち向かうか ～ (2022)
  • 著者名/発表者名: 中西晶
  • 学会等名: 一般社団法人品質と安全文化フォーラム第158回 SRM クロスオピニオン セミナー
• [学会発表] テレワーク（リモートワーク）と新たなリスク -高信頼性組織の視点から- (2022)
  • 著者名/発表者名: 中西晶
  • 学会等名: 一般社団法人品質と安全文化フォーラム第162回 SRM クロスオピニオン セミナー
• [図書] キーワードからみる 経営戦略ハンドブック (2023)
  • 著者名/発表者名: 経営戦略学会編, 中西晶, 星和樹ほか著
  • 総ページ数: 224
  • 出版者: 同文館出版
  • ISBN: 4495390678
• [図書] 社会問題化する組織不祥事: 構築主義と調査可能性の行方 (2023)
  • 著者名/発表者名: 中原翔
  • 総ページ数: 204
  • 出版者: 中央経済グループパブリッシング
  • ISBN: 450245141X