研究課題/領域番号 |
20H01554
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
Frank Bjoern 早稲田大学, 商学学術院, 准教授 (30467039)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 環境イノベーション / 環境マーケティング / CSR経営 |
研究実績の概要 |
環境イノベーションとは、製品やプロセスの革新を通じて企業の環境的持続可能性を高めることである。本研究は、環境イノベーションの利益性とその最適な戦略策定が文脈によってどのように異なるかを見極めることを目的とする。 令和3年度には、本研究の目的を達成するために、企業経営者と消費者を対象にしたアンケート調査の両方を国内外で継続した。また、収集した一部のデータを分析し、複数の研究論文を執筆し、査読付き国際学術誌に掲載された。 一本目の論文では、途上国の代表としてボリビアの企業のCSR活動と環境イノベーションの現状および歴史を解明した。それに関連して、二本目の論文では、ボリビアのサプライチェーンの持続可能性の在り方とその原因を分析し、改善案を提示した。 三本目の論文では、企業の複数の再生活動戦略を比較し、最適な戦略が文脈によってどのように異なるか分析した。その結果、企業の再生活動が消費者の、ブランドへの態度とロイヤルティに影響を及ぼすことが分かった。また、製品本体の再生活動よりも、製品の梱包の再生活動の影響の方が大きい。その梱包の再生活動の影響は、人見知り度合いが高い消費者ほど強くなる。一方、製品本体の再生活動の影響は、ブランド切替リスクが低いほど強くなる。 四本目の論文では、製品の各ライフサイクル段階における環境負荷が消費者行動に与える影響を比較した。特に消費者利用前の段階(生産、流通等)における環境負荷の影響が顕著であること、また環境負荷が商品の象徴的価値に特に強い影響を与えることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、海外からのデータ収集を、現地調査として行う計画があったが、新型コロナウイルスの影響で海外出張が認められなくなったため、代わりにその一部をオンライン調査として行った。また、本課題を対象にする研究プロジェクトを、想定したよりも多く並行して実行した結果、当初の計画以上に進展してきた。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度には、前年度に開始したアンケート調査を継続する予定である。特に、新型コロナウイルスの影響で延期した、海外での直接企業経営者を対象とする現地調査を行う予定である。企業経営者から収集した回答を電子化し、データの信頼性を検証し、データを分析する予定である。次に、環境イノベーションの成果と実施に関する研究論文を執筆し、学術誌に投稿する計画がある。また、研究成果を、海外での国際学会およびで国内学会の研究発表会で発表し、研究成果について当該分野の専門家と討論する予定である。
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