研究課題/領域番号 |
20H01557
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小林 麻理 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (50248978)
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研究分担者 |
大森 明 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (00340141)
柴 健次 関西大学, 会計研究科, 教授 (40154231)
山本 清 鎌倉女子大学, 学術研究所, 教授 (60240090)
松尾 貴巳 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80316017)
金子 良太 國學院大學, 経済学部, 教授 (80350411)
目時 壮浩 早稲田大学, 商学学術院(会計研究科), 准教授 (90548851)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リソース・マネジメント / 情報共有データベース / サービス原価計算 / ネットワーク・ガバナンス / 業績マネジメント |
研究実績の概要 |
本研究は、サービス原価計算、セクター横断的な組織間マネジメント、費用対効果分析、それらの基盤となるデータべーうの開発研究を構成要素としているが、COVID-19による社会経済環境の変化に伴って生み出された社会変革要素、すなわちOECDの報告書に基づけば、①感染症コントロールまたは追跡対策、②公共等のコミュニケーションの強化及びデータ共有、③危機コンテクストに調整したサービス提供、⑤既存の資源及び解決法のレバレッジと配備、⑥チャレンジングなメカニズムによるインターネットを通じてアウトソーシングしたアイディアや解決法、⑦立法府の適応的対応、⑧集団学習及び意味づけ、⑨構造的応答及び可能な長期性へのシフトという要素を研究に組み込みながら、定期的に研究会を開催して議論を行った。研究会においては、理論サーベイを行いながら、具体的事例としてワクチン接種における国・地方・民間の連携とコスト、データの収集分析と政策的意思決定との関係性等について海外比較を行いながら課題について議論を行った。緊急事態宣言等で活動が制約される中、政府会計学会、非営利法人研究学会、シンポジウムなどとも連携して活動を行い、研究報告、パネルディスカッションを行った。小林は『公共経営とアカウンタビリティ』(政府会計学会、2021、Vol.2 No.1、pp.16-27)に「COVID-19を契機とした財政運営モデル変革への提案―エクイティを組み込む財政運営モデルとは―」を発表した。海外事例の調査研究、短期・中期・長期のタイムフレームによるデータ収集及び分析の考え方について整理を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
海外研究者の招聘、国際会議出席による成果発表、意見交換の機会はコロナ禍により大幅に縮小し、オンラインによる意見交換、研究発表は実施しているものの、対面による研究のネットワークづくり、それによる国際共同研究の組織化に困難を抱えている。これらの状況にもかかわらず、国内における研究発表、研究会の開催、国内外の文献収集、オンラインによる研究会・国際会議への参加を積極的に行うことにより、情報収集と分析を着実に行うよう努めた。本研究の特質として公共を構成するさまざまなセクター間の協働、ネットワーク・ガバナンスの在り方に焦点を当てるため、感染状況が継続しているなかで、海外及び国内の事例研究の進捗、国際共同研究に遅れがみられるが、それをカバーすべくITを活用して、研究代表者、分担者が協力して、研究を推進している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果を総括して、公共価値創出を実現する政府におけるリソース・マネジメントを構築する。事例研究による課題抽出、国内外の研究サーベイの総括、さらには国内外の研究者の招聘によるワークショップ、シンポジウム等の開催を行い、リソース・マネジメントモデルの構築に向けて研究を推進する。理論をさらに精緻化し、モデル開発に注力する。具体的には、ワクチン接種、避難民受け入れにおいては、国と地方、さらには受益者という垂直的な連携と同時に、公共に存在するリソースのエンゲージという観点からはクロスボーダーなさまざまな組織、セクターとの水平的連携という課題が存在する。これらの課題に鑑み、さまざまなレベルと質の情報共有と社会的連帯・信頼関係を構築するメカニズムの同定を行い、それらについて事例研究、理論サーベイ、研究者や様々なセクターの実務家との意見交換等を通じて、理論とモデルを精緻化する。
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