グローバル環境下の連結管理会計に関する理論的・実証的研究

2020 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 20H01559
• 研究機関: 同志社大学
• 研究代表者: 中川 優 同志社大学, 商学部, 教授 (40217683)
• 研究分担者: 安酸 建二 近畿大学, 経営学部, 教授 (00309494) ; 伊藤 正隆 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (00706905) ; 北田 智久 近畿大学, 経営学部, 講師 (00803777) ; 松木 智子 帝塚山大学, 経済経営学部, 教授 (10347180) ; 島 吉伸 近畿大学, 経営学部, 教授 (20319239) ; 西居 豪 専修大学, 商学部, 教授 (30439517) ; 窪田 祐一 南山大学, 経営学部, 教授 (40329595) ; 近藤 隆史 京都産業大学, 経営学部, 教授 (60336146)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2023-03-31
• キーワード: 管理会計 / グローバル化 / 海外子会社

研究実績の概要

本年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、研究計画を変更したことによる影響のため、海外子会社に対する現地調査が不可能となったため、文献研究により代替することとなった。このため、連結管理会計に関する包括的な文献レビューと管理会計研究の中における位置づけを中心として研究を実施した。具体的には、管理会計研究にいてイノベーションがどのように取り扱われてきたのかについては、窪田(2020)において明らかにされている。また、実務と管理会計研究の関係については、安酸(2020)において示されている。ここでは、特に実務からえられたエビデンスに基づいて研究の重要性を指摘しており、これらの研究がさらに実務の改善や発展にフィードバックされるべ　きであると主張しており、本研究においても、実務から得られたエビデンスをどのように、実務の発展に向けてフィードバックすべきかについて示唆を与えるものとなった。
また、窪田論文においては、管理会計研究において、イノベーションがどのように取り扱われてきたかをレビューするとともに、特にイノベーションを促進するための管理会計の具体的な方法について、検討を加えている。イノベーションを促進するためには、組織やイノベーションの推進役などが必要とされてきたが、それらを適切に誘導、推進、コントロールすることが必要であり、これらは管理会計の中核をなすマネジメント・コントロール・システムの重要な機能の一つであることが明らかとなった。特にグローバル規模における連結管理会計を想定した場合には、イノベーションを促進するとともに、それらに資する管理会計のあり方について示唆を与えるものとなった。また、過年度に行ったアンケート調査によるデータの初期段階の集計および分析を行った。集計結果の概要は、過去に実施した同様のアンケート調査の傾向と類似点が見られた。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画を大幅に見直したが、当初は研究の遂行自体が困難な時期もあったが、代替的な方法を採用することにより、見直し後の計画は、ある程度、順調に進展した。

今後の研究の推進方策

海外子会社の訪問が不可能な状況において、オンラインインタビューの可能性を追求することやアンケート調査による代替、新聞、雑誌記事等のデータベース検索による情報収集、過去の研究を参照にするなどの方法を採用する。

研究成果

• [雑誌論文] イノベーションを促進するための管理会計 (2021)
  • 著者名/発表者名: 窪田祐一
  • 雑誌名: 企業会計 巻: 74(3) ページ: 124-125
• [雑誌論文] 実務に対する原価計算・管理会計研究の役割 (2020)
  • 著者名/発表者名: 安酸 建二
  • 雑誌名: 原価計算研究 巻: 44 ページ: 38～45
  • DOI: 10.20747/jcar.44.1_38
  • オープンアクセス
• [雑誌論文] アナリスト予想にみられるコスト予想 (2020)
  • 著者名/発表者名: 安酸 建二、中岡 孝剛
  • 雑誌名: メルコ管理会計研究 巻: 12 ページ: 31～41
  • DOI: 10.14987/mjmar.12.1_31
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 日本企業における海外子会社マネジメントの実態 : アンケート調査の結果から (2020)
  • 著者名/発表者名: 中川 優
  • 雑誌名: 同志社商学 = Doshisha Shogaku (The Doshisha Business Review) 巻: 72 ページ: 219～248
  • DOI: 10.14988/00027796
  • オープンアクセス
• [学会発表] エビデンス・ベーストな管理会計研究を目指して (2020)
  • 著者名/発表者名: 安酸建二
  • 学会等名: 日本管理会計学会2020年度年次全国大会
  • 招待講演