• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実績報告書

現代農山漁村における「生産のある生活空間」に関する環境社会学の新たな分析枠組構築

研究課題

研究課題/領域番号 20H01570
研究機関鳥取大学

研究代表者

家中 茂  鳥取大学, 地域学部, 特任教授 (50341673)

研究分担者 村田 周祐  鳥取大学, 地域学部, 教授 (00634221)
牧野 厚史  熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (10359268)
藤村 美穂  佐賀大学, 農学部, 教授 (60301355)
平井 勇介  岩手県立大学, 総合政策学部, 准教授 (60757524)
山室 敦嗣  兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (90352286)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード生産のある生活空間 / コモンズ / 生活環境主義
研究実績の概要

新型コロナウイルス蔓延にあたり、感染防止のために、対面による研究会は実施できなかったものの、オンラインを活用して研究会及び相互の研究上の知見の共有に努めた。研究代表者及び分担者の各自の問題関心の展開は次の通りである。
家中は、沖縄県竹富島における地域自然資産計画にもとづく2次的自然の保全の取り組みについて、また、鹿児島県種子島における伝統的な黒糖生産の継承について事例調査を行い、これらの取り組みがその島の営みなかでどのような歴史的な意味をもつのかという問題関心から、分析枠組の構築に取り組んだ。村田は、千葉県鴨川における定置網漁業の事例調査を続け、そこにみられる「自然を糧とする営み」を捉える分析枠組の構築に取り組んだ。牧野は、これまでの各地における事例調査にもとづき、「水利用」をキーワードとして設定し、そこから人と自然の関係とその現代的な変容について捉える分析枠組の構築に取り組んだ。藤村は、これまでの農山村地域の事例調査に加えて、佐賀県の有明海の干潟における海苔養殖について調査を進め、干潟生態系の人為的影響による変化と、それに相互作用的に対応する生業の変化に注目し、動的な人ー自然関係を捉える分析枠組の構築に取り組んだ。平井は、三重県桑名市において、河口堰の建設によって大きく改変された河口域における漁業(ハマグリ漁)について事例調査を継続し、大規模に改変された環境への生業を通しての人々の対応に注目することから、レジリエンスや回復をキーワードにして分析枠組の構築に取り組んだ。山室は、兵庫県豊岡市において長年にわたり進めてきた「コウノトリの野生復帰」の取り組みが、当該地域の村落においてどのように受容されつつ、その一方で、村落の維持のために役立てられているのか、そこで生まれている村落の土地保全の創造性について考察するなかで、分析枠組の構築に取り組んだ。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス蔓延にあたり、感染防止のために対面によるヒアリング調査が実施できず、そのため繰越手続きをとったものの、調査の実施及び蓄積において当初計画より遅れたために、その調査データをもとに、本研究プロジェクトの分析枠組の理論化までには十分に至っていない。
今後、新たな分析組の構築にむけて、引き続き理論的検討を深めていくことにする。

今後の研究の推進方策

2023年度には、新型コロナウイルスの感染状況も落ち着くことを見越し、各自のフィールド調査を進めることにする。また、対面による研究会を開催し、フィールド調査の結果から、理論的考察に向かうことにする。
環境社会学における新たな分析枠組を構築するうえで、各自のフィールド調査の知見を持ち寄り、キーワードを設定する。そのとき当初計画において仮説的に設定したキーワードとの違いに注目し、そこから農山漁村をとりまく現代的な人─自然関係の変容についての考察を導くことにする。仮説的に想定されるのは、人と自然の関係の疎遠化がもたらしている社会的条件と、それに対する新たな対応としてどのような動きが農山漁村の各フィールドから立ちあがってきているかということであり、それが今後の分析枠組構築の作業の手掛かりになる。
また、農山漁村の「消費空間化」、再「生産空間化」、「環境空間化」が進展している現代的な状況に対して、モノグラフ手法をもちいた研究を立ち上げることを考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 食からみた山村:北上山地山村の暮らしから学ぶ2023

    • 著者名/発表者名
      岡 惠介, 佐久間 政広, 平井 勇介, 村田周祐
    • 雑誌名

      村落社会研究ジャーナル

      巻: 29巻2号 ページ: 47-56

  • [雑誌論文] 移動の時代におけるムラの重層的な生活保障のしくみ:宮城県七ヶ宿町湯原と千葉県鴨川市大浦の知恵に学2022

    • 著者名/発表者名
      村田周祐
    • 雑誌名

      村落社会研究

      巻: 58 ページ: 43-85

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi