研究課題/領域番号 |
20H01575
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
牧野 厚史 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 教授 (10359268)
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研究分担者 |
五十川 飛暁 四天王寺大学, 人文社会学部, 講師 (00508351)
つる 理恵子 専修大学, 人間科学部, 教授 (20227474)
徳野 貞雄 熊本大学, 大学院人文社会科学研究部(文), 名誉教授 (40197877)
川田 美紀 大阪産業大学, デザイン工学部, 准教授 (40548236)
福本 純子 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (50851606)
藤村 美穂 佐賀大学, 農学部, 教授 (60301355)
松本 貴文 國學院大學, 研究開発推進機構, 准教授 (70611656)
山室 敦嗣 兵庫県立大学, 地域資源マネジメント研究科, 教授 (90352286)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 食と農 / 山村 / 共有山林 / 地域防災 / 有機農業 / 移住者 |
研究実績の概要 |
本研究では、食・農・自然という3つの視点から、ポスト農業社会の農村生活に照応する農業社会学の構築を目指す。2021年度は、昨年度にひき続き、研究実施計画にそって、フィールド調査と研究会とのサイクルを重視して調査研究を進めた。その際、コロナ感染症の拡大という状況下における効率的な研究を進めるために、オンライン形式での研究会を実施した。調査研究では、①食・農・自然環境からみた農業近代化政策の評価、②販売農家の農業および自給的農業と消費者との関係、③食と農、自然環境をいかす村づくりの計画手法という3つのコアとなるプロジェクトについて、研究会を実施した。研究会では、①個人の活動、②農家・農村・女性の活動、③生活組織化の様相、④物的対象(自然環境等)への働きかけ、⑤経済活動と消費者との関係の5アスペクトについて、それぞれのフィールドで調査を続行した。また、年度の後半には、共通の調査地である、大分県の都市に近い山村集落において、住民の方々への面接調査を実施した。その結果、以下の知見を得た。当該集落では、地元住民が立ち上げた農業組織(農事組合法人)主導の有機農業化が、大都市からの移住者を招きいれ、移住者とその家族が集落の農業と生活を支える担い手になるという、循環構造が形成され始めている。こうした循環構造の形成は、ポスト農業社会という状況に農業集落の人びとが主体的に対応した結果だといえる。また、鳥獣害、防災をテーマとした一連の講演会を、当該集落で実施した。研究成果の公表については、本年度発刊された山本努編著『よくわかる地域社会学』(ミネルヴァ書房)に、牧野厚史、靏理恵子、藤村美穂、福本純子が研究成果の一部を用いて分担執筆した。さらに、令和2年球磨川水害の調査結果をはじめ、鳥獣害を含めた、農村地域の地域防災に関わるいくつかの研究成果が公表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
共通フィールドとしている大分県山村については、順調に調査が進んだが、その他の調査拠点で実施予定の調査については、コロナ感染症拡大の影響を受け、調査スケジュールを一部変更した。
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今後の研究の推進方策 |
変更した調査スケジュールによる調査研究を実施する。
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