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2021 年度 実績報告書

移住者支援の国際社会学~日比の支援者のライフストーリー分析から

研究課題

研究課題/領域番号 20H01586
研究機関フェリス女学院大学

研究代表者

小ヶ谷 千穂  フェリス女学院大学, 文学部, 教授 (00401688)

研究分担者 大野 聖良  神戸大学, 国際文化学研究科, 特別研究員(RPD) (20725915)
原 めぐみ  和歌山工業高等専門学校, 総合教育科, 准教授 (90782574)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード移住者支援 / 国際社会学 / 日比間の人の移動 / ライフストーリー
研究実績の概要

研究2年目にあたる2021年度は、5月にオンラインでの研究打ち合わせを実施し、本年度も引き続いたオンラインでのインタビューのスケジュールの確認や修正を行った。
2021年5月には元Batis Center for Womenのクライアントであった女性、7月には長く日比間の社会運動にかかわってきた大阪在住の支援者に対してそれぞれオンラインでインタビューを実施し、それぞれトランスクリプトを作成した。また、2020年度に実施したマリガヤ・ハウスのソーシャルワーカーに対するインタビューを『社会運動史研究』(特集:越境と連帯)に掲載可となったため、その原稿準備のためのオンラインでの打ち合わせを9月以降複数回実施した(『社会運動史研究』は2022年7月に刊行)。
加えて、並行して英語論文の執筆と投稿準備を進めた。また、本研究の成果の書籍出版計画が具体化したことを受け、書籍の構成案の検討や出版社との打ち合わせも実施した。
2021年10月からは前年度に引き続き科研費研究員を雇用し、インタビューのトランスクリプト作成や、資料収集、打ち合わせ・研究会の記録作成などの作業補助を依頼した。
なお、2021年度も新型コロナ感染症の影響でフィリピンでの現地調査の実施が不可能であったため、2022年度まで研究期間を延長することとなった。2022年度の延長期間においては在日フィリピン人女性の支援者へのインタビュー調査を国内で実施したほか、本研究の協力団体の一つである特定非営利活動法人JFCネットワークと共同で、本研究におけるインタビュー・データを用いた日・英・比の3か国語での映像作品を制作し、本科研が最終目標として掲げている「研究成果を調査対象者および広く社会に還元する」方策の一つとすることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2021年度も新型コロナウィルス感染症の影響により夏季のフィリピンでの調査が実施できず、2022年度夏季に延期を余儀なくされた。そのため、当初の調査計画の大幅な変更を余儀なくされたが、新たに日本語・英語での論文投稿の準備や、映像作品の制作などの形で研究成果を発信する機会を得ることができたことは収穫であった。
また、書籍の出版計画が具体化し、延期となった調査計画も含めてより具体的な計画を立てられたことも、研究全体の進捗にとっては有益であった。

今後の研究の推進方策

2021年度においてもフィリピン調査の実施はかなわず、さらに研究計画の変更・延長を余儀なくされたものの、2022年度においては夏季にフィリピン調査を実施することができた。ただし、研究分担者の新型コロナ感染症罹患のため、大幅な計画の変更を余儀なくされたほか、研究分担者の産休・育休もあり、2023年度への期間延長もすでに決定している。2022年度の成果および2023年度延長分の成果は、書籍出版としての計画がさらに具体化しており、その点においては順調に研究の遂行および成果発信を実現できる見込みである。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (3件)

  • [雑誌論文] ソーシャルワーカーとして、JFCとその母親たちに寄り添う―マリガヤハウス・河野尚子の活動経験から2022

    • 著者名/発表者名
      小ヶ谷千穂・原めぐみ・大野聖良
    • 雑誌名

      社会運動史研究

      巻: 第4号 ページ: 150-165

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 移住家事労働者から考える、「らしさ」の境界線2021

    • 著者名/発表者名
      小ヶ谷千穂
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: Vol.49 No.13 ページ: 41-47

  • [雑誌論文] コロナ禍の外国にルーツのある親子を地域で 支える:Minami こども教室の取り組みから見えてくるもの2021

    • 著者名/発表者名
      原めぐみ, 甲田菜津美, 瀬戸麗
    • 雑誌名

      月刊福祉

      巻: vol.104(13) ページ: 28-32

  • [雑誌論文] 移民の言語:セーフティネットとしての言語 大阪ミナミ:コロ ナ禍が浮き彫りにする「ことばの壁」2021

    • 著者名/発表者名
      原めぐみ
    • 雑誌名

      多言語社会研究『ことばと社会』

      巻: 23号 ページ: 269-275

  • [学会発表] コロナ禍で育まれる紐帯:大阪・Minami こども教室の事例2022

    • 著者名/発表者名
      原めぐみ
    • 学会等名
      関東社会学会2021年度第1回研究例会 2022年3月13日(オンライン)
    • 招待講演
  • [学会発表] 移動に生まれ、移動を生きる子どもたち:フィリピンのケースから2021

    • 著者名/発表者名
      小ヶ谷千穂
    • 学会等名
      お茶の水女子大学IGSセミナー「移住労働者の子どもたち」2021年10月30日(オンライン)
    • 招待講演
  • [図書] 多文化共生の実験室2022

    • 著者名/発表者名
      髙谷幸編、榎井縁、安岡健一、原めぐみ、髙田一宏、金光敏、ラボルテ雅樹、稲葉奈々子、志水宏吉、河村倫哉、遠藤知子、樋口直人
    • 総ページ数
      304
    • 出版者
      青弓社
    • ISBN
      9784787235046
  • [図書] 子ども白書 20212021

    • 著者名/発表者名
      日本子どもを守る会編(原めぐみが分担執筆)
    • 総ページ数
      208
    • 出版者
      かもがわ出版
    • ISBN
      978-4-7803-1170-9
  • [図書] アンダーコロナの移民たち2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木江理子編、原めぐみ、山野上麻衣、巣内尚子、高向有理、田中雅子、呉泰成、明戸隆浩、佐藤美央 、鄭安君、宋恵媛、金昌浩、南川文里 、旗手明、田中宝紀、大川昭博 、土井佳彦、 山岸素子、坂本啓太、石川えり、 崔洙連、 加藤真、 近藤敦 、是川夕
    • 総ページ数
      316
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750352152

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公開日: 2023-12-25  

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