当初の最終年度にあたる2022年度には夏季に補足調査を行ったうえで、インタビュー結果の分析および出版の準備を行う予定であったが、分担者の新型コロナ感染および後遺症が長引いたことを受けて、2023年度まで研究を延長することとなった。 2022年度においては、7月には調査対象者の一人であるマリガヤ・ハウス(在マニラ)のスタッフ河野尚子のインタビューを、解題を付して『社会運動史研究』にインタビュー論文として掲載することができた。また、8月末からの夏季調査は上記の理由より計画を縮小して実施することにはなったものの、マリガヤハウスおよびDAWNに長くかかわってきた支援者への対面のインタビューおよび関連する資料の収集をマニラで実施することができた。 研究を延長した2023年度においては、4月~6月の間は主に国内で、神奈川および名古屋において長年在日フィリピン人女性およびその子どもたちの支援に個人あるいは組織的に関わってきた支援者に対してインタビュ―調査を実施した。さらに12月~2月にはフィリピンにおいて補足調査を実施することができた。また、JJS (Japanese Journal of Sociology) に本科研の成果の一つである支援組織の役割についての英語論文を掲載することができた(2024年1月にオンライン掲載)。また、出版原稿準備のためのオンラインでのミーティングを複数回開催すると同時に、出版社(春風社)との打ち合わせも進め、出版契約を交わすことができた。本科研の成果に基づく春風社からの出版は2024年秋を予定している。
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