研究課題/領域番号 |
20H01587
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
菅原 祥 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (80739409)
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研究分担者 |
番匠 健一 同志社大学, 付置研究所, 研究員 (50770252)
田中 壮泰 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (70736529)
木村 至聖 甲南女子大学, 人間科学部, 准教授 (50611224)
佐野 泰之 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 特別研究員 (70808857)
服部 徹也 東洋大学, 文学部, 講師 (80823228)
佐々木 祐 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (90528960)
櫻井 悟史 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (90706673)
安井 大輔 立命館大学, 食マネジメント学部, 准教授 (90722348)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 時間と空間 / 住宅 / 記憶 / ポーランド / 団地 |
研究実績の概要 |
本年度は、コロナ禍により海外渡航および国内調査等が制約を受けたことにより、主に資料・文献研究および基本的な理論研究を行うことにより各自の研究テーマについて研究を進め、成果公開をすると同時に、オンライン研究会を2回開催し、メンバー間の研究内容の共有に努めた。まず、11月の研究会においては科研費メンバーの田中と菅原が発表を行った。田中は「居留民の文学ー1920年代の東欧とドイツを中心に」というタイトルでベルリンという都市空間をウクライナからやってきたイディッシュ語作家を中心とした「居留民の文学」を通して捉える試みを行なった。また菅原は、「産炭地をめぐる記憶と表象――ポーランドの炭鉱住宅をめぐって」というタイトルで発表を行い、ポーランドの炭鉱団地をめぐる記憶と表象の分析を行なった。3月の研究会では、研究協力者の金瑛氏(関西大学)に「 集合的記憶論と空間論の接点――アルヴァックスを中心に」というタイトルで発表を行っていただき、本科研において最重要の理論的基盤の一つであるアルヴァックスの記憶論と空間論について有益な議論を行いつつ、理解を深めることができた。 また、本科研の目標の一つである(SFをはじめとした)文学的想像力と社会学的想像力の接続を目指すという試みの一環として、「トポフィクション研究会」と題したオンライン読書会を2回開催した。9月の読書会ではモリ・カイネイ氏に劉慈欣『三体』について、1月の読書会では科研費メンバーの佐野がJ・G・バラードの高層住宅SF『ハイ・ライズ』について発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請時には想像もつかなかった新型コロナウイルス禍により海外・国内の渡航・調査および研究会活動等が大きく制限されたものの、文献・資料を用いた基礎的・予備的な研究に注力したり、Zoomを用いたオンラインでの研究会・読書会によってメンバー間の研究成果の共有や研究テーマについての知識の共有をはかることができた。よってこの年度の研究はおおむね順調に推移したと言える。
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今後の研究の推進方策 |
今後も新型コロナウイルス禍によって海外渡航が制限されたり、当初の研究計画で予定していた科研費メンバー合同での現地調査や海外からの研究者の招聘などが困難になることが予想される。そのため、当初の研究計画の重心をシフトし、各メンバーの個人研究により注力した形で研究を進めることにする。また、当初は海外・国内での実証的フィールド調査をもとに遂行しようと計画していた研究課題に関しても、資料・文献研究や文学研究・表象研究などへと適宜シフトさせることで、引き続き実質的な研究の進展を目指す。
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