研究課題/領域番号 |
20H01591
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
篠原 千佳 桃山学院大学, 社会学部, 准教授 (00570178)
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研究分担者 |
土田 久美子 駒澤大学, 文学部, 講師 (20553035)
菅原 真枝 東北学院大学, 教養学部, 教授 (50359501)
川井 太加子 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (70441102)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 社会統合 / ケアワーカー / グローバル化 / 市民権 / キャリア |
研究実績の概要 |
東南アジアからのケアワーカー(介護・看護・家事労働従事者)が日本で活躍するようになり、今後更にそのような来日者の増加と滞在の長期化が予測されている。昨年度、本研究はそのようなケアワーカーらを日本社会の構成員として位置づけ、本国からの送り出しと受け入れの過程、就職に関わる諸アクター(個人、組織)、定住と移動パターンを分析するための、サーベイ調査・聞き取り調査の計画と準備を行った。来日ケアワーカーのキャリアと家族の形成、そして日本社会への定着と内外移動の可能性について、その経過を把握するだけでなく、当事者と日本社会における問題点を明らかにすることを目的とした情報収集調査となった。
少子高齢化社会において、今後さらに必要とされ多様化するであろう来日ケアワーカーを、社会統合と市民権という観点で研究していくため、インドシナ方面からの来日定住者の現状を把握するための研究会を通して、近年の経済連携協定などの制度を通しての来日者だけでなく、それ以前から日本で生活をしている人々が、様々な理由でケアワーカーとして労働し、育児をする親として日本人の家族として日本社会で生活している実態がある。先行研究には、人材不足解消の側面から外国人受入法制度と実態に注目した調査があるが、長期の日本での生活と共に発生するキャリア形成や家族形成の問題にも着目した分析や、社会統合と市民権という視点からの研究は極めて少ないのが現状であるが、多様な来日の経緯にも注目し、就職と労働、定住と移動パターンを分析している。
年度末には、東南アジアの研究者との合同研究会も行い、互いの研究報告だけでなく、研究の課題や問題点の整理も行った。今後、上記で示した調査を継続して行い、更なるデータの蓄積と分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、研究調査で東南アジア諸国において現地調査ができない状況ではあるが、資料収集や研究会など可能な活動を前倒しして行っている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、調査により量的データ収集を継続しながら、聞き取り調査を行い質的情報も蓄積していきたい。現地調査が可能となれば、現地での調査も再開し、ケアワーカー当事者とその関係者の国際移動と、キャリアそして家族形成についても、情報収集をしてまとめていく。
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