研究課題/領域番号 |
20H01605
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
松田 亮三 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (20260812)
|
研究分担者 |
平岡 公一 東京通信大学, 人間福祉学部, 教授 (10181140)
加藤 雅俊 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (10543514)
安 周永 龍谷大学, 政策学部, 教授 (10612393)
新祖 千春 (長谷川千春) 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (40454483)
濱田 江里子 立教大学, コミュニティ福祉学部, 准教授 (40711916)
鎮目 真人 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (50285508)
渡辺 克典 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (60509181)
上村 泰裕 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (70334266)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 福祉体制 / 日台韓比較 / 理論開発 / 領域変化 / 因果論 / レジリエンス / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行という申請時には予測できなかったストレスが対象とする3か国において生じる中で、以下のように研究をすすめた。まず、研究協力者を含めた国内の研究体制を構築したものの、COVID-19の影響のもと、国際的な研究協力体制については検討を行うにとどまった。 次に、設定していた目的に照らしては主に文献学的研究をすすめ、次のような成果を得た。【目的1】社会の多様化の概念の明確化と操作変数の作成:社会の多様化に関する操作変数を作成すべく、多様性に関わる先行研究の整理を行い、データベース化の準備をすすめた。 【目的2】日本、韓国、台湾3福祉体制の変化の記述と分析を進展させた。台湾については、福祉体制の構築の歴史的検討をすすめるとともに、韓国については最低賃金ならびにプラットフォーム労働との関係の検討等をすすめた。日本については、企業中心的な保守的福祉体制としての性格づけを示す論文を公表するとともに、福祉体制のレジリエンス概念の検討に向けてCOVID-19のもとでの医療機構のレジリエンスを検討するとともに、医療保険の再編の動向も分析した。ただし、これらの諸国を通じた検討については、課題として残った。 【目的3】福祉体制の変化の共通性と差異に関わり、それを系統的に示す方法の開発に向けて、心理学で開発された複線径路・等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach, TEA)、コンピューター科学から疫学等に広がった因果関係ダイアグラム(DAG: Directed Acyclic Graph)などに関わる文献学的検討をすすめた。 【目的4】論文・単行本としての成果報告を視野に入れ、社会の多様化への福祉体制の変化の説明理論の開発に向けて、政治システムとの関連理論、持続可能性、レジリエンス、社会的投資国家等の概念を検討し、公表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID-19の流行により、当初予定していた国際研究協力体制を構築するための諸活動を組織することができなかった。また、国内の研究者の会議も、移動上の問題からすすめることができず、個別的な検討および文献的な検討をすすめることに限定せざるを得なかった。
|
今後の研究の推進方策 |
新しい方法論、理論開発に向けて、オンライン会議などを活用したセミナーを実施し、複線径路・等至性アプローチ(Trajectory Equifinality Approach, TEA)、因果関係ダイアグラム(DAG: Directed Acyclic Graph)などについて、文献学的検討だけではなく、当該分野の研究者との対話等を行う研究会や日本・台湾・中国および関連した福祉体制に関する理論的検討を組織し進めていく。
|