研究課題/領域番号 |
20H01614
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
丸山 伸之 京都大学, 農学研究科, 教授 (90303908)
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研究分担者 |
福冨 友馬 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 診断・治療薬開発研究室, 室長 (30463110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アレルゲン / 甲殻類 / 構造 / エピトープ / 抗体 |
研究実績の概要 |
甲殻類に対するアレルギー患者に対し、軽微な症状と診断される口腔内に限局して症状を示す口腔アレルギーや即時型アレルギー症状などの症状を呈した際の患者の臨床症状について詳しく情報を収集した。甲殻類に対するアレルギーが明確でない患者検体については研究対象から除いた。このように本研究に用いる血清について準備が整いつつある。一方、患者血清中のアレルゲン特異的なIgE抗体を解析するために、粗抽出液および精製アレルゲンの調製を行った。まず、エビ(ブラックタイガー)より殻を除去し、筋肉組織をホモジナイザーで破砕後に、緩衝液を用いて粗抗原を抽出し、遠心分離により抽出液を回収した。また、エビに対するアレルゲンについては主に組換えタンパク質の調製を試みた。Tropomyosin、arginine kinase、myosin light chain 2、sarcoplasmic calcium binding protein、troponin C、ヘモシアニンなどの主要なアレルゲンについて、組換えタンパク質の調製に着手した。それらに対して大腸菌発現系あるいは酵母発現系を構築し、目的のアレルゲンを発現させた。発現後、必要に応じて硫安分画を行い、組換えタンパク質に付加したタグに対するアフィニティーを利用した精製などを行い、概ね着手したすべてのアレルゲンの精製法について目途がついた。精製効率の低いもののあるために必要に応じて精製を継続するとともに、調製したアレルゲンについての構造評価を計画している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1. 甲殻類アレルギー患者の血清の評価 研究分担者の医療機関を受診した患者の中で甲殻類に対するアレルギーと疑われる患者に対し、摂取した甲殻類の種類などについて問診した。さらに、軽微な症状と診断される口腔内に限局して症状を示す口腔アレルギーなどのアレルギー症状を呈した際の患者の臨床症状についても詳しく問診を行った。これらの情報から、甲殻類に対するアレルギーが明確でない患者検体を除いた。さらに、口腔アレルギー症状の検体と、摂取後すぐに症状のみられる即時型アレルギーの患者について区別し、本研究に用いる血清の準備を進めている。 2. 甲殻類アレルゲンコンポーネントの調製 エビ(ブラックタイガー)より殻を除去し、筋肉組織をホモジナイザーで破砕後に、緩衝液を用いて粗抗原を抽出した。また、エビに対するコンポーネントについては組換えタンパク質の調製を試みた。Tropomyosin、arginine kinase、myosin light chain 2、sarcoplasmic calcium binding protein、troponin C、ヘモシアニンについて大腸菌発現系を構築した。pET、pGEX、pMALなどの発現ベクターのうちいずれかのベクターによって、目的のアレルゲンが可溶性として発現した。タグに対するアフィニティーによる精製などを用いて、すべてのアレルゲンの精製を行った。精製効率の低いもののあるために必要に応じて精製を継続する。また、大腸菌発現系の場合に可溶性であっても構造形成の点で問題がある場合があるため、酵母による発現系の作製についても進めている。
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今後の研究の推進方策 |
酵素標識したヒトIgE抗体に対するモノクローナル抗体と蛍光基質を用いた酵素結合免疫 吸着法により、甲殻類に対してアレルギー症状を示す患者血清を用いて、精製したエビアレルゲンに対するIgE抗体の定量的に解析し、顕著に検出されるアレルゲンを明らかにする。その結果とともに、本研究で用いたアレルゲンの評価を行い、必要に応じてエビ以外の他の甲殻類についても考慮し、アレルゲンを追加で作製する。
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