研究課題/領域番号 |
20H01619
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
吉村 美紀 兵庫県立大学, 環境人間学部, 教授 (90240358)
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研究分担者 |
島田 良子 兵庫県立大学, 環境人間学部, 助教 (80739300)
桑野 稔子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (20213647)
亀山 詞子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (30732945)
江口 智美 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 講師 (20740244)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 大豆タンパク質 / 大豆多糖類 / レジスタントスターチ / 物性 / 嗜好性 / 咀嚼性 |
研究実績の概要 |
大豆混合系食品として、大豆タンパク質・レジスタントスターチタイプ2(ハイアミロースコーンスターチ)混合比率の異なるクッキーを創製し、栄養性、物性、嗜好性、構造観察、唾液によるストレス評価測定を実施した。ハイアミロースをクッキーに混合することにより、物性評価では、軟らかく砕けにくくなり、官能評価では、軟らかく、口の中ではばらけやすくなる結果を得た。試料クッキーのヒトが感じる嗜好性(官能評価における総合的なおいしさ)とクッキー咀嚼前後の唾液によるストレス度へ変化の影響は小さかった。ストレス度は個人差が大きく、試料による有意な差は認められなかった。 大豆混合系食品として、大豆タンパク質・大豆多糖類混合系ゲルを創製し、物性、構造観察を行った。大豆タンパク質単独は加水・加熱により不可逆性のゲルとなったが、大豆多糖類を少量混合(大豆タンパク質:大豆多糖類=9.9:0.1)により相分離を起こすことが物性評価および構造観察から明らかとなった。示差走査熱量測定により、大豆タンパク質および大豆多糖類は吸熱ピーク・発熱ピークが認められなく、熱的挙動の影響は少ないと考えられた。要因として大豆タンパク質の粒子径およびpHの影響が考えられた。また、大豆タンパク質・大豆多糖類を混合した食パンでは、大豆多糖類を混合することで、食パンにしっとり感が増すことが官能評価で確認された。ヒトへの影響では、嗜好性、咀嚼性および脈波測定による自律神経介入試験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年に購入した示差走査熱量計を使用して実験を行った。コロナ禍の影響で、ヒトによる官能評価、咀嚼試験に遅れがみられがちであったが、2021年度後半はヒトによる官能評価、咀嚼試験、脈波測定による自律神経介入試験に取り組むことができた。おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
大豆混合系食品(大豆タンパク質+レジスタントスターチ、大豆タンパク質+大豆多糖類)のクッキー、パンなどの栄養性、物性、構造の比較から官能評価への相関を検討することができた。大豆の栄養性(ミネラル)分布をマイクロCTで分析を行う。今後は、試料咀嚼時の筋電位測定、脈波測定による自律神経介入試験について、被験者を若年者、高齢者の対象者を区分することで、大豆混合系食品のヒトでの影響を検討する。
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