研究課題
1.環境塵中の界面活性剤が高濃度に存在する場所の特定環境中の界面活性剤の濃度を明らかにするため、家屋内の種々の場所から細塵を採取し、塵中の界面活性剤の濃度を測定した。具体的には研究参加同意をいただいたボランティアの家庭内の種々の場所(リビングの床、ベッド(または布団)、ソファ(またはクッション)、洗面所/脱衣所)から掃除機を用いて細塵を収集し、粉塵中に存在する界面活性剤の活性を臨界ミセル濃度(critical micelle concentration: CMC)を用いて測定した。その結果、収集できたすべての細塵の中から一定度の界面活性剤の活性が検出されることが明らかとなった。家庭内の粉塵から検出された界面活性剤は、洗面所/脱衣所よりも、リビングの床やベッド(または布団)、ソファ(またはクッション)などで、多い傾向があった。また、家庭内の粉塵から検出された界面活性剤の量は、家庭ごとに有意に異なることも明らかとなった。2.好酸球性気道炎症を誘導する界面活性剤の同定及びそのメカニズムの検討これまでに、家庭用合成洗剤や界面活性剤をマウスに吸入させると、喘息様の好酸球性気道炎症が誘導されることを見出した。本年度は、合成洗剤による喘息様気道炎症の誘導メカニズムの解析を行なった。その結果、合成洗剤は気道上皮細胞(マウス:肺胞上皮細胞、ヒト:気管支上皮細胞)におけるIL-33の発現を増強することで炎症を誘導することが明らかとなった。更に、上皮細胞におけるIL-33の発現誘導には、酸化ストレスが関与していること、上皮細胞から放出されたIL-33が、2型自然リンパ球(ILC2)を活性化し、2型サイトカインの産生誘導することで、好酸球性気道炎症が惹起されることも明らかとなった。
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Allergy
巻: - ページ: -
10.1111/all.15762
https://www.ncchd.go.jp/press/2023/0516.html