研究課題/領域番号 |
20H01622
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分08030:家政学および生活科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立成育医療研究センター |
研究代表者 |
森田 英明 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, 免疫アレルギー・感染研究部, 室長 (90365320)
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研究分担者 |
大矢 幸弘 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, アレルギーセンター, センター長 (80392512)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 界面活性剤 / 気管支喘息 / 環境塵 |
研究成果の概要 |
家庭用合成洗剤をマウスに吸入させると、喘息様好酸球性気道炎症が誘導されることを見出した。また、合成洗剤の含有成分のうち、界面活性剤が好酸球性気道炎症の誘導に関与していることを見出した。合成洗剤が気道上皮細胞におけるIL-33の発現増強を誘導すること、IL-33が2型自然リンパ球(ILC2)を活性化し2型サイトカインの産生誘導することにより、好酸球性気道炎症が惹起されることを見出した。更に、生活環境中における界面活性剤の存在を検討するため、家屋内の種々の場所から細塵を採取し、塵中の界面活性剤の濃度を測定したところ、収集できたすべての塵の中から一定度の界面活性剤の活性が検出された。
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自由記述の分野 |
免疫アレルギー
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近代化に伴いアレルギー疾患の患者数が増加した理由として、衛生的な環境となったことにより幼少期に微生物への曝露が減少したことが原因とする衛生仮説が広く知られている。一方で近年、人間の体が外界と接する部分に存在する細胞(上皮細胞)のバリア機能が、外的/内的要因を含む何かしらの要因で障害されることがアレルギー疾患の発症につながるという「上皮バリア仮説」が提唱されている。本研究は、環境中に存在する合成洗剤を始めとする界面活性剤が、上皮細胞の破壊を介して喘息様気道炎症を誘導することを世界で初めて明らかにした研究であり、この上皮バリア仮説を裏付ける結果となり、非常に大きな学術的、社会的意義を有している。
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