研究課題/領域番号 |
20H01630
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
岡田 倫代 高知大学, 教育研究部人文社会科学系教育学部門, 教授 (50587433)
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研究分担者 |
鈴江 毅 静岡大学, 教育学部, 教授 (70398030)
片山 はるみ 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90412345)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自殺予防 / メンタルヘルス / 子ども / 連携 / OODAループ / 抑うつ |
研究実績の概要 |
本研究では、日本で子ども達の自殺予防を促進することを目的に、不調を訴えるハイリスクな子どもに対する学校と医療機関とのタイムリーな連携協働について、OODAループの活用を提案することである。そのために、学校及び関連する施設で勤務する教職員、看護師、福祉関係者、スクールカウンセラー等205名を調査対象とし、主観的健康感、OODAループに関する意識調査、よくうつ状態、及び現在実施している連携協働に対する満足・不満足ついて質問紙調査を実施した。 その結果、連携協働に満足していない者は、抑うつ状態においては、有意差は見られなかったが、満足している者より主観的健康感が低かった(p<.05)。OODAループに関する意識調査については、3因子“柔軟で主体的な状況判断”、“集団でのモニタリングと共有”、及び“セルフモニタリング” が抽出され、連携協働に満足していない者は、満足している者に比して、すべてにおいて低かった(p<.05)。さらに現状の連携協働に対する満足・不満足については、「連携協働の内容」「連携協働の進み方」及び「連携協働組織」の3つに分けられ、記述内容に顕著な違いが見られた。 連携協働における満足・不満足は、メンタルヘルスに関係があること、連携協働に満足している者は、OODAループの視点を多く取り入れているが、満足していない者は、OODAループの視点をあまり取り入れていないことが示され、それがメンタルヘルスにも影響していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感性症の流行により、インタビュー調査の実施、及びOODAループを意識したケース検討会の実施が困難となり、フィンランドでの現地調査も実施できない状況が続いたため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、アンケート調査の分析とインタビュー調査を継続しながら、OODAループを意識したケース検討会を実施する。ケース検討会で得られた情報について分析し、望ましい連携協働体制についてマニュアルを作成する。
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