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2021 年度 実績報告書

政治学との接合による規範的教育学の再構築

研究課題

研究課題/領域番号 20H01638
研究機関大阪体育大学

研究代表者

高宮 正貴  大阪体育大学, 教育学部, 准教授 (20707145)

研究分担者 児島 博紀  富山大学, 学術研究部教育学系, 講師 (50821542)
生澤 繁樹  名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (70460623)
橋本 憲幸  山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (50759016)
室井 麗子  岩手大学, 教育学部, 准教授 (40552857)
森岡 次郎  大阪府立大学, 人間社会システム科学研究科, 准教授 (10452385)
杉田 浩崇  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (10633935)
虎岩 朋加  愛知東邦大学, 教育学部, 准教授 (00566721)
平石 晃樹  金沢大学, 学校教育系, 准教授 (00786626)
鵜海 未祐子  駿河台大学, スポーツ科学部, 講師 (30802235)
関根 宏朗  明治大学, 文学部, 専任准教授 (50624384)
岸本 智典  昭和音楽大学, 音楽学部, 講師 (50757713)
市川 秀之  千葉大学, 教育学部, 准教授 (70733228)
田中 智輝  山口大学, 教育学部, 講師 (60780046)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード教育哲学 / 分配的正義 / 生政治 / 政治理論 / 人間形成 / 運 / 格差 / 差異
研究実績の概要

本研究は、政治学を教育学と接合させる「教育政治学」が、①教育政策を政治学の方法で分析すること、および②シティズンシップ教育として政治「を」教育すること、に止まっているという限界を超えて、教育の規範を問う観点から、教育学と政治学の異なる接合のあり方を示す。具体的には、【1A】教育政策をいかに正当化すべきか(教育の分配的正義)、【1B】教育は人々の生にどのように作用し、いかに包摂と排除を可能にしているのか(教育の生政治)、【2】統治の対象かつ主体でもある人間は、いかにして形成されるのか(政治的主体の育成)、を探究する。それを通して、これまで相互に分離しがちであった正義論、権力分析、市民性教育論を統合することで、規範的教育学の再構築を行う。
本年度は、上記【1A】「教育の分配的正義」論については、昨年度に続き、教育哲学会でラウンドテーブルを実施し、研究成果を報告した。
本年度は、教育を分配的正義の対象と見なす場合の「指標」と「差異」の問題をどう捉えるかということについて議論した。そこで問われたのは、①教育機会の平等を制限するものとしての家族の位置。とはいえ、家族は「家族関係財」という独自の財を提供しうること、②生まれつきの才能や意欲の分配という差異をどう扱うのか、③分配的正義の「指標」を誰が決めるのかという民主主義と教育という財の固有性の関係、について検討した。ここで検討された成果と課題を踏まえ、科研3年目には論集として成果をまとめる予定である。
その他、"Family Values"(『家族の価値』)という本について検討する全体会を1回実施した。
【1B】「教育の生政治」論、【2】「政治的人間形成」論については、各班ごとに今後の研究の進め方を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

【1A】「教育の分配的正義論」班については、教育哲学会で科研期間内で2回目のラウンドテーブルを実施し、一定の研究成果を発表し、今後の研究課題も明らかになった。
【1B】「教育の生政治論」班、【2】「政治的人間形成論」班についても、研究成果としての論集の刊行に向けて、各研究分担者の研究構想を共有し、討議を行うことができた。

今後の研究の推進方策

2022年度は、オーストラレーシア教育哲学会(PESA)での個人発表およびラウンドテーブルでの共同発表を企画し、研究計画の達成に向けて尽力する。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 思想史は私たちに何を教えるか??ククリック『アメリカ哲学史』翻訳の経験から2021

    • 著者名/発表者名
      岸本智典
    • 雑誌名

      近代教育フォーラム

      巻: 30 ページ: 185-189

  • [雑誌論文] テクノロジーの進歩と社会的分断の時代におけるデモクラシーと教育-米国の経験とこれから-?2021

    • 著者名/発表者名
      古田 雄一, 間篠 剛留, 石嶺 ちづる, 岸本 智典, 福野 裕美, 原田 早春
    • 雑誌名

      日本教育学会大會研究発表要項

      巻: 80 ページ: 87-88

    • DOI

      10.11555/taikaip.80.0_87

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「「個性」を飼いならす?―道徳教育と「個性」の困難な関係」2021

    • 著者名/発表者名
      岸本智典
    • 雑誌名

      道徳教育(明治図書)

      巻: 758 ページ: 80-81

  • [雑誌論文] 教育における分配的正義論の可能性(2)2021

    • 著者名/発表者名
      髙宮 正貴、橋本 憲幸、児島 博紀、生澤 繁樹
    • 雑誌名

      教育哲学研究

      巻: 123 ページ: 101-106

  • [学会発表] 「よく被らなくてはならない」――『教育学のパトス論的転回』から出発して2021

    • 著者名/発表者名
      平石晃樹
    • 学会等名
      日本教育学会近畿地区 オンライン企画「『教育学のパトス論的転回』を読む」
  • [学会発表] BildなきBildung、あるいは「生き様」のエートス――フーコーの自己形成論をめぐって2021

    • 著者名/発表者名
      平石晃樹
    • 学会等名
      教育思想史学会第31回大会 フォーラム「近代教育批判以後の主体性――後期フーコーにおける「プラトニズムのパラドックス」を中心に」
  • [学会発表] アメリカ哲学史にとっての心理学――「実験心理学」の生成とそれへの批判(シンポジウム 「世紀転換期アメリカ哲学と心理学――ジェイムズ、デューイからパークへ」)2021

    • 著者名/発表者名
      岸本智典
    • 学会等名
      東京大学共生のための国際哲学研究センター(UTCP)
    • 招待講演
  • [学会発表] データの確率化によって偶然は飼いならせるか―「教育の存在論的な弱さ」をめぐる一試論として―2021

    • 著者名/発表者名
      杉田浩崇
    • 学会等名
      ,教育哲学会第64回大会課題研究「データ駆動型社会」における教育哲学の課題―これからの教育にとって「データ」「情報」「知識」はどのような意味をもつのか―」
    • 招待講演
  • [図書] 『生活の良さをどう捉えるか――生活水準をめぐる経済学と哲学の対話』2021

    • 著者名/発表者名
      A. セン、J. ミュールバウアー、R. カンブール、K. ハート、B. ウィリアムズ(著)、G. ホーソン(編)、玉手慎太郎、児島博紀(訳)
    • 総ページ数
      236
    • 出版者
      晃洋書房
    • ISBN
      978-4771035416

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公開日: 2022-12-28  

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