研究課題/領域番号 |
20H01642
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
有本 章 広島大学, 高等教育研究開発センター, 名誉教授 (00030437)
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研究分担者 |
大膳 司 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (60188464)
黄 福涛 広島大学, 高等教育研究開発センター, 教授 (60335693)
金 良善 広島大学, 高等教育研究開発センター, 准教授 (10802861)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大学教員 / 学部長 / 企業管理職員 / 地方自治体管理職員 / 将来像 |
研究実績の概要 |
大学教員、学部長、企業管理職員、地方自治体管理職員はそれぞれ大学・大学教員にどのような期待を抱いているかを明らかにするために、『変貌する社会における大学・大学教員の将来像に関する調査』を実施した。その結果、以下の6点が明らかになった。 ①大学教員は教育活動及び研究活動のどちらに関心をおくべきかについて質問したところ、学部長は教育活動に、大学教員は研究活動に、関心を置くべきと主張していた。②学部生に身に付けさせる必要のある知識・技能・態度について質問したところ、必要度の高い順に、「論理的思考力」「問題解決力」「創造的思考力」となっており、職業別にみると、自治体管理職員は「チームワーク、リーダーシップ」を、学部長は「市民としての社会的責任」「倫理観」を強く必要としていた。③大学教員が授業を行う際の力点については、必要度の高い順に、「確実に学問の基礎を教える」「学生の成長にきっかけを与える」となっていた。職業別にみると、自治体管理職員と会社管理職員は「最先端の研究成果に触れさせる」を強調していた。④大学教員が研究活動を行う時に誰の意見を反映させる必要があるか質問したところ、必要度の高い順に、「学外の大学関係者」「同僚の大学教員」「企業」となっていた。職業別にみると、大学教員は「他人の意見を反映させる必要はない」、会社管理者は「企業」、自治体管理者は「地方自治体」との意見が強くなっていた。⑤大学教員が社会サービス活動を行うことの必要性について質問したところ、特に、学部長と自治体管理職員が強い必要性を示していた。⑥大学や大学教員の国際交流について質問したところ、賛成度の高い順に、「大学は、日本人教員の海外派遣を促進すべき」「大学教員は外国の書物や雑誌を読むべき」「大学や大学教員は日本人学生の留学を促進すべき」「大学や大学教員は諸外国の学生や教師との交流を促進するべき」となっていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の中で、国内・国際会議での対面的な会合が困難になったため、研究交流が表面的なものとなった。特に、本プロジェクトは、国際比較の観点から研究を実施してきており、早期に、国際会議の現地開催が求められる。
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今後の研究の推進方策 |
残り1年間で、①大学教授職の研究生産性に関する研究、③大学の管理運営に関する研究、が残った研究課題である。 ①1992年と2017年に実施した世界の大学教員を対象とした国際アンケート調査によって収集されたデータにもとづいて、1990年当初と近年の世界の大学教授職の研究生産量(特に、著書数や論文数)の実態と研究生産量の国別の規定要因を明らかにすることを目的としている。 ②1992年と2017年のデータを比較すると、日本の大学教員が、自身の組織の管理運営方式が望ましい状況であるとする比率が減少しており、その要因について明らかにすることを目的としている。
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