研究課題/領域番号 |
20H01646
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研究機関 | 聖心女子大学 |
研究代表者 |
澤野 由紀子 聖心女子大学, 現代教養学部, 教授 (40280515)
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研究分担者 |
Tastanbekova Kua 筑波大学, 人間系, 助教 (30726021)
大谷 実 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50241758)
黒木 貴人 福山平成大学, 福祉健康学部, 講師 (60736106)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | STEM教育 / STEAM教育 / STREAM教育 / EdTech / 教育政策 / 才能教育 / ポスト社会主義教育 / 第4次産業革命 |
研究実績の概要 |
2020年度はコロナ禍により当初より計画していた国内外における現地調査をまったく行うことができなかったため、ロシア語、英語および日本語の文献収集を行い、文献リストを作成した。収集文献の読解を進めるとともに、オンライン研究会において文献研究から得られた知見や各自の関連する研究の成果について報告した。STEAM Expo(2020年9月)、日露デジタルフォーラム(2020年12月)などにも参加し、日本の文部科学省および経済産業省のSociety5.0に向けた政策の実態について情報収集を行なうとともに、STREAM教材開発や校外教育を実施する日露の民間教育産業の実態についての知見を得た。またロシアおよび日本の専門家からのヒヤリングの代替としてオンライン講演を依頼し、意見交換を行なった。 ロシアにおける現地調査についてはCOVID-19パンデミックにより実施が困難となったため、海外旅費等を2020年度から2021年度、2022年度へと再繰越を行っていたが、2022年2月よりロシア軍がウクライナに侵攻したため、コロナ渦収束後もロシアへの入国が不可能となった。このため、周辺諸国における調査を優先させることとし、2022年8-9月にユヴァスキュラ大学からの協力を得て、フィンランドにおけるSTEAM教育の現地調査を実施した。ロシア型STREAM教育モデルの影響関係については、教材開発とオンライン指導を行うロシアの企業のフィンランドにおける事業展開が確認できたのみで、詳細について調査を行うことはできなかったが、フィンランドにおけるSTEAM教育推進と高等教育機関と連携した初等中等教育におけるSTEAM教育実践の実態ならびにEUの助成を受けた教員研修の国際共同研究の現状についての知見を得ることができた。また、2022年11月にハンガリーの研究者を日本に招き同国の教育に関する講演会を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度ならびに研究費を繰り越した2021年度はCOVID-19の流行により、国内外の移動が不可能となり、当初計画していた現地調査をまったく行うことができなかった。研究は文献の収集と読解を中心としたが、ロシアの研究者とともにオンライン研究会を開催しながら、主として日本とロシアにおけるSTEM/STEM/STREAM教育の比較考察を行なっていた。2022年度に研究費を再度繰越し、COVID-19の収束とともにロシアにおける現地調査を行う予定でいたが、2022年2月のロシア軍によるウクライナ侵攻に伴い、ロシアの研究協力者とのコミュニケーションが遮断され、ロシアへの入国が不可能となったため、研究計画はさらなる見直しが必要となった。2022年度後半には、欧州やロシア以外の旧ソ連地域との行き来は可能となったため、ロシアとの影響関係を調査することを目的として、フィンランドでの現地調査を実施し、ハンガリーの研究者を日本に招いて講演を行なってもらったことで、若干ではあるが、研究の遅れを取り戻すことができた。
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今後の研究の推進方策 |
ロシアの研究協力者との共同研究の再開時期を見通すことができないため、STREAM教育との関連でロシアとの関係が深い東欧や中央アジアの諸国の教育調査を優先させる。ロシアに関しても、これまでどおり文献調査を継続するとともに、周辺諸国からの情報収集も行うこととする。また、ウクライナ戦争に伴い、多くのIT専門家が周辺諸国に流出していることから、STREAM人材の移動に伴う各国教育への影響関係についても、研究対象に含めることとする。
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